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        代用のコスモス咲く本堂前 / 朝日に照らされた紅き枝  マウスを載せれば写真が変わります

 今朝は今年一番の冷え込みとなり、10月下旬の気温でした。
 昼間は24.5度まで上がり、動くと少し暑いぐらいでしたが、カラッとした秋晴れのお天気で、気持ちのいい1日でした。
 過去30年間のデータから見た今日の京都の天気出現率は70%。10月中旬以降は60〜70%という日が多く、今年も今後しばらくは穏やかな秋晴れがの日が続きそうです。秋を楽しまなきゃ!
 境内のもみじも色付き方が少し急になってきました。来週末にかけて気温も段々と下がるので、季節の進み具合にも加速しそうです。
 こんなふうに書くと、「大変! 急いで京都旅行の予定を立てないと!」と思われる方もあるかも知れませんが、まだ紅葉の‘兆し’だけですので、慌てないようになさってください。

           この色が境内の平均値 / 有終の美の紅    マウスを載せれば写真が変わります
 と言われても、紅くなったもみじの写真を見ると、そわそわしてしまわれるでしょうね。
 境内の桜の葉は、全体的に紅くなったり黄色くなったりしていて、毎日たくさんの葉を落としています。当分は毎日そんな状態が続きます。
 もみじも一枝だけ紅くなっていたり、あるいは樹全体が紅葉してきたようになっているものもありますが、境内全域は右の写真のような感じで、紅葉シーズンは1ヶ月先です。
 右の‘裏写真’のもみじはずいぶん紅葉していますが、おそらくこの木はそう遠くない先に枯れていくでしょう。有終の美かも知れないので、載せました。
 いま紅くなっているのは、そんな弱っている木がほとんどなのです。健康なもみじはまだ鮮やかな緑色。特に紅葉の遅い本堂裏は緑一色という感じです。
 緑の中に紅い枝を見つけて、「わぁー、もう紅葉してる!」と喜んでおられる方をよく見かけます。そんな楽しみのある秋真っ盛りの境内ですよ。




    秋   風   に   さ   そ   は   れ   た   れ   ば   道   に   を   り        今井杏太郎





         塔に負けない酔芙蓉 / 今年最後?の浅葱斑     マウスを載せると写真が変わります
 酔芙蓉の花も、まだ毎日たくさんの花を咲かせています。
 暑い盛りの頃は、朝は白く、夕方には濃いピンクに変わっていましたが、涼しくなってきてからは1日では色が変わりきらず、2日掛かってようやくピンクになって萎んでいくようになりました。
 今は1日目の白い花と2日目のピンクの花が一緒に咲いています。不思議ですねぇ。
 残念なことに、花泥棒が酔芙蓉に目を付けたらしく、ハサミの後が3箇所。わざわざハサミを持ってきて枝ごと切っていくのですから、出来心ではありません。腹が立つよりも、花泥棒を哀れに思います。
 さて、先週の更新の時以来、藤袴に浅葱斑アサギマダラが来るのを見ることができませんでした。
 今年はいつまでも暑かったので、涼しい環境を好む浅葱斑が頻繁に飛来することなく、藤袴の花期が過ぎて行ってしまうと、残念に思っていました。他の蝶たちも、めっきり姿を見せなくなっていたので、今年はもう見られないと諦めていました。
 ところが、今日、1匹の浅葱斑が飛来。何度か藤袴に留まって、またどこかへ飛んでいきました。ごく短い間の出来事でした。
 他の蝶たちとはぐれたのでしょうか? 建物内へ向かったりと、ちょっと‘挙動不審’で心配な蝶でした。無事に南へ飛んで行ってくれるといいのですが・・・今年はこれが見納めでしょう。


       炉開きには少し早い炉開き / 晩秋の色、山茱萸の実  マウスを載せれば写真が変わります
 昨年買った椿「炉開き」が咲いているのを、今日見つけました。お茶と藪椿の交配種で、直径4センチほどの小輪です。お茶の花をピンク色にしたような花です。
 「炉開き」は、茶道で風炉の使用をやめて炉を使い始めることをいい、陰暦10月の初亥の日に行います。今年は11月22日なので、まだまだ先なのですが、この頃に咲くというので「炉開き」の名があります。
 小さな木で、職員でさえどこに植わっているのか知りませんが、これから大きく育って、見どころの一つになってくれればと思います。
 山茱萸さんしゅゆの実が赤く透明感を増してきました。
 先頃、この実のことを教えて差し上げた方が、「歌に歌われている実ですね」とおっしゃったので、「よく間違えるのですが、あれは山椒です」と教えて差し上げたら不満そうにしておられました。
 『ひえつき節』に「庭のさんしゅの木 鳴る鈴かけて ヨーオー ホイ」と歌われているの木を、ボクも最初は山茱萸だと思っていました。でも、「山茱萸なんてそう普通にはない…山椒かな?」と思って調べた結果、やはり山椒だったという経験がありました。だから、確証を持っていました。
 でも、その方があまりに不満そうだったので、Youtubeでいろいろな『ひえつき節』を聞いたりして、もう一度調べました。
 結果はやはり山椒。この歌が歌われる椎葉村は山椒が名産。方言で、山椒を「さんしゅ」というらしく、美空ひばりも「さんしゅ」と歌っています。
 その、『ひえつき節』には歌われていない山茱萸が、熟して綺麗な赤になり、透明感を増してきたのです。日を透かして見るとルビーみたい! 美味しそうですが、えぐいので、お試しにならないでくださいね。
 毎日何かしらの発見のある、秋深まる境内。ぜひお越しください!




    ひ   る   す   ぎ   の   十   月   の   野   に   遊   ぶ   べ   し         折井紀衣