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                 花の木より紅葉始む / 葉色変化    マウスを載せれば写真が変わります

 爽やかな秋晴れの日が続いています。夜は窓を開けて寝ると涼しすぎるくらいで、寝具も秋バージョンに模様替え。
 散歩するにはいい気候ですが、昼間は汗ばむほどで、今日の最高気温は29.2度。平年よりも3度以上高かったです。
 境内の様子も少し変わってきました。
 いち早く紅葉する本堂前の「花の木」の梢の先が、かなり赤くなってきました。他の場所のカエデ類も緑に混じった紅い葉がきれいです。
 あと3日で十五夜。ここ数日はお天気がいいので、月がきれいに見えています。「十五夜に晴れなし」といいますが、台風の影響でしょうか、30日は曇り後雨の予報です。さて、名月が見えるでしょうか? 萩や尾花など、演出の材料は調っているのですが・・・。




      仲   秋   や    月   明   か   に   人   老   い   し          高浜虚子





       風を止めて萩を撮る / 暑さの印、不意芙蓉のピンク色   マウスを載せれば写真が変わります
 地植えの彼岸花がようやく咲いて来ました。彼岸は昨日までなので、少し遅刻です。去年と比べても、10日ほど遅くなっています。
 今年植えた長崎産の彼岸花より、やはり自生しているもののほうが、しっかり、凛としている気がします。‘年季’が違いますね。
 今年は萩がきれいなように思います。咲いた後に雨に打たれていないからでしょうか? 風に揺れる萩は何とも風情があります。
 こう書いていて気が付きましたが、「風」と「情」。風は、「風流」「風雅」などと、「情」は「情趣」「情緒」などと使われます。風や雨は演出上手ですね。ただ、風に揺れる萩はとても写真が撮りにくいです。
 酔芙蓉も絶好調です。最後まで開かなかった「くす玉」も咲き始め、これで3種が揃いました。
 今日は昼間が暑かったから、夕方には濃いピンク色に変わっていましたが、暑くない日は夕方になってもまだ白く、翌日まで咲き続けてようやくピンク色になりました。暑かったかどうかが、酔芙蓉の色を見ているだけでもわかります。いろいろ楽しめる花です。


              黄より浅葱を待つ / 今が盛り、藤袴     マウスを載せると写真が変わります
 藤袴が花盛りです。
 その花を求めていろいろな蝶が来たり、葉を食べにコガネムシ類がやってきます。
 蝶で多いのは、褄黒豹紋ツマグロヒョウモン。常に10羽ほどが飛び交っています。羽根の模様から雌雄の区別が容易ですが、雄のほうが目に付きます。
 浅葱斑アサギマダラは、待ちかねているのにまだやって来てくれません。
 まだ来ないのも仕方がないのです。アサギマダラは気温は20〜25度を好み、その環境を求めて移動するといいます。京都は、その環境には達してなく、まだまだ暑いのです。
 アサギマダラが藤袴を目がけてやってくるのは、植物からピロリヂディンアルカロイドという成分を摂取しないと、雄が成熟できないからです。蝶も大変です。
 でも、もし暑い日が続くと、藤袴が開花する頃にアサギマダラは里に降りてくることができず、その蜜を吸えなくなってしまいます。
 藤袴のすぐ近くには酔芙蓉が植わっていますが、その花色がピンクに変わる具合を見ては、「あー、こんなに暑くちゃ今日もダメだなぁ」とため息をつく日々。藤袴はもう盛り。早く涼しくなってくれないと、アサギマダラに出会えません。
 職員さんに、「あの蝶が来ているような気がします」と言われて慌てて見に行っては、アゲハチョウだったり、蛾だったりで、がっかり。アサギマダラを見るためにも、早く涼しくなって欲しいと願っています。
 気候が不順です。どうか、お風邪など召されませんように。




    秋   の   蝶    山   に   私   を   置   き   去   り  ぬ         阿部みどり女