9/22版
「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り、暑さも控え目となって、朝夕は涼しいほどの日もあります。
わかりにくい写真ですが、今まで自生していた‘オリジナル’の彼岸花の花茎が、ようやく地面から顔を出して来ました。後は一気に延びて花を咲かせます。 今年植えたものとは違い、凛として、品格が感じられます。数本まとまって出てくるのも、それだけ球根が増えているということですから、年月を感じます。 木を植えても、剪定をしても、そこに自然の力が加わって初めて、いや自然の力を端から見込んでいろいろな手入れをするわけです。自然の力と人間ではまるでランクが違います。 彼岸に忘れてはならないのは、萩。同じ菓子を呼ぶにも、春のお彼岸にはぼた餅(牡丹)、秋はおはぎ(萩)。今は年中「おはぎ」で通すお店が多いようですが、ぼた餅というと何だか大きそうな、おはぎと呼ぶと少し上品そうな気がします。 小豆の赤色の、邪気を払う食べ物としての信仰が、先祖の供養と結びついたもののようですが、こういう意味の食べ物では小豆の独壇場ですね。 萩の花は今が見頃です。
1週間ほど前から咲き始め、だんだん花数が増えてきましたが、あまり目立ちません。 彼岸花もそうですが、この花も今頃になるとちゃんと咲き出します。どうやってスケジュール管理をしているのでしょう? さて、藤袴も見頃となってきました。今年の出来は上々です。 側を通ると、ふわーっと香りがしてくる時があります。平安時代の女性たちは乾燥させたものを香袋に入れて十二単にしのばせていたなどと聞きますが、それほど匂い立つわけではありません。強い香りに慣れた現代人からすると、少し頼りないかも知れません。「藤袴の間を吹いてきた風に当たりたい」そう思わせる、やさしい、どことなくのどかな香りです。 酔芙蓉、木槿なども咲いています。秋深まる境内を、ぶらっと一回りなさってみてください。 秋 の 野 に に ほ ひ て 咲 け る 藤 袴 折 り て お く ら ん 其 の 人 な し に 良寛
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