9/14版
湿度の高い、蒸し暑い日でした。
ところが、今、本堂の裏や三重塔の近くでは、彼岸花がすでに花盛り。拝観に来られた方も、「もう咲いているのですか?」と驚かれていたとか。 近所のご婦人が、「こんなところに彼岸花がありましたか? 今までなかったように思うのですが・・・」と首を傾げながら通って行かれたそうです。 おっしゃる通り! いま盛りを迎えている彼岸花は、今年の7月に植えたばかりの400球。今まではありませんでしたし、咲くのも初めてです。 不思議なのは、同じ彼岸花でも、従来から生えているものは、まだ花茎さえも上がって来ないことです。2ヶ月前に植えたばかりといっても、今は同じ条件の中にありますのに・・・。 彼岸花には、「桜前線」のようなものはありませんが、環境省の調査によると、最も早く彼岸花が咲いた「最早日」は、札幌市で8月1日。遅かったのは、島根県安芸市と徳島県美馬市の9月20日(調査年度などはわかりません)。秋の訪れの早い札幌のほうが早く咲くということでしょうか。でも、開花報告が3件あった「開花日」は全国的に9月に入った頃から20日過ぎがほとんどで、「最早日」ほど差がありません。彼岸花は、他の花に比べ、比較的同じ時期に全国各地で咲くようです。 さて、今年植えた彼岸花が早く咲くのはなぜでしょう? 彼岸花の球根は長崎市の業者から求めました。長崎市の「開花日」は9月10日。境内で咲き始めた時期とほぼ重なります。今年植えた球根は‘故郷’の開花日を覚えているのかも知れません。京都市は21日。以前からある彼岸花がまだ咲かないのもうなづけます。 400って多いと思っていましたが、案外少なそう・・・また追加しようかな!
山荘前に10本ほどあるほとんどは、今年植えたばかり。「早く成果が得られる」「面白く、楽しめる」というのが、‘美しい花’の次の条件でした。毎日、通勤の時には必ず通る職員が、朝は白く、夕方は濃いピンクの花を、まずもって花を楽しんでいます。 盛りはこれから。まだまだ楽しめます。 その近くの土塀越しに植えられた藤袴もこれからが見頃です。 昨年は土壌改良にと入れた石灰の質が悪かったようで、無惨な状態でしたが、今年は大きすぎない‘上品な’株になりました。今までで一番きれいかも知れません。 この花に渡り蝶のアサギマダラがやってくるのが楽しみです。「まだか、まだか」と心待ちにしている毎日です。 ここ数年で、境内の花が増えました。うまく育たない、咲かない時は、いろいろと悩んでしまいます。水やりも大変ですし、絶えず気に掛けて世話をしなければいけません。大変ですが、大きな楽しみでもあります。見てくださった方の喜ぶ顔も励みです。 ムクゲ、百日紅もまだ咲いています。残暑厳しい中ですが、そんな花々を探していただくのも楽しいですよ! ぜひお越しください。 花 び ら に ゆ る き 力 の 芙 蓉 か な 下田実花
|