7/14版
九州の大雨のニュースを見るにつけ、心が痛みます。「これまでに経験したことのないような大雨」という表現に恐ろしささえ感じます。皆さんのところは何も被害はありませんでしょうか?
木の古株から生えてきたもの、地面からいきなりニョキッと出没したもの、形も実にバラエティーに富んでいます。 かつて真如堂に勤めていた人に、そんな茸を採ってきては食べている人がいました。 回りの制止にも耳を貸さず、古典的な俗説に基づいて、「茎が縦に裂けるのには毒がありませんにゃ」などと言っては茸狩りをしていましたが、とうとう腹痛を起こし、それ以来、公然と茸狩りするのは止めました。腹痛ぐらいで済んで、本当によかったです。 今も散歩をする人の中に、「これはキクラゲですよ」と、古株に密生した茸を採って帰る人がいます。確かにそうかも知れませんし、天然の茸はさぞかし美味しいでしょうが、ボクはチャレンジする勇気はありません。
鐘楼脇の紫陽花は、まだもう少し見られます。 茶所脇の去来句碑の横には、緋扇水仙が鮮やかな花色を見せています。 緋扇(射干)は桧の扇に似た形の葉に緋色の花が咲くもので、祇園祭には付きものの花です。和歌では「夜」などを導く枕詞として「ぬばたま」という言葉を使いますが、これは緋扇(射干)の黒い種のことだそうです。 緋扇水仙は色こそ似ていますが、南アフリカ原産で、似て非なるものです。 見方によっては洋花っぽくて苔庭には不似合いにも思えますが、その鮮やかな色は梅雨のジメジメ感を吹き飛ばしてくれそうです。時おり大きな黒い蝶が来て、ふわりふわりと舞っていますよ。 総門内の木槿も、先週よりも咲いている株が増えました。10数本ある株のほとんどが品種を異にしているので、咲く時期も微妙に違います。 「私はこれが好き」「私はこっちがいいわ」と、好みが分かれそう。盛夏にも咲き続けてくれる有り難い花です。 世は3連休。皆さん、いかがお過ごしでしょうか? 熱中症などにお気をつけください。 射 干 に そ の 花 色 の 蝶 の 来 る 橋爪靖人
|