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真夏を思わせるような日でした。最高気温は32.4度。湿度がそれほど高くなかったのは救いでしたが、まだ真夏の日差しになれていない身には、日向は酷以外の何者でもありません。
それとは裏腹に、せっかく結実してもどんどん落果していく光景に、自然界の厳しさとひたむきに我が身を守って種を繋いでいこうとする本能が見えます。 でも、何千、何万となったこの実が発芽した姿を見たことはありません。皆が落ちた実を拾って持ち帰ってしまうからだけではなさそうです。 かたや、樹下に子孫の林が出来るのが自坊のモクゲンジ、「栴檀葉の菩提樹」です。 いま、この木は花盛り。どこで知ったのか、「モクゲンジはどこですか?」と訪ねて来る方がおられます。ただ、花は、自坊の門をくぐっていただかないと見えません。 本堂前の‘菩提樹’も、自坊の栴檀葉の‘菩提樹’も、本家インドの菩提樹とは何の関わりもない木。丸い実のなる木をとりあえず‘菩提樹’と呼んだ気もしてしまいます。
ここ数年、闇雲に紫陽花の株と種類を増やしてきましたが、いったい何本、何種類あるのか、ぜんぜんわかりません。これから繁殖させるにも、どの株にどんな花が咲くのかを知ることは大事です。 そこで、先日来、株に通し番号を打つ作業を進めています。草引きをしつつなのでなかなか進まず、やっと100程度。境内全体では3〜400本になるでしょう。 先日、テレビで般若心経の文字数と同じ262株の紫陽花が植えられているお寺が紹介されていましたが、数だけなら真如堂も‘名所’です。あと5年ほどすれば、名実共に‘名所’として売り出せるでしょうか? 前も後ろも右も左も紫陽花に囲まれていると、とても幸せな気分になります。移り気、高慢、無情、冷淡などという花言葉は、そぐわないといつも思います。 明日は大祓。今年も半分が過ぎていきます。 紫 陽 花 や 藪 を 小 庭 の 別 座 敷 松尾芭蕉
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