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       「咲いてるよ!」 / 「香りも写るといいのにね」     マウスを載せれば写真が変わります

 梅雨とは思えない快晴! まるで真夏のような太陽の光が照りつけ、最高気温は3時頃に30.6度にまで上がりました。暑いはずです。7月10日頃の最高気温です。
 そんな強い日差しに加えて、白砂の照り返しが眩しいばかりの本堂の前は、1日中、人の姿が絶えませんでした。待ちに待った菩提樹が見頃を迎えているのです。
 10日に咲き始めた菩提樹の花は、今が見頃です。
 日のよく当たる西側はもう満開。少し盛りを過ぎたものも、わずかに出始めました。明日か明後日には結実しているものも見られるでしょう。本堂側はまだ蕾のままで咲き出していないのが大半。樹全体としては、ここ一両日が見頃です。


               いまだけの菩提樹花          マウスを載せれば写真が変わります
 花を眺めている人の様子を見ていると、開花を予期して、あるいは咲いているのを知ってお越しになっている方が大半。毎年見に来られるリピーターなのでしょうか? インターネットなどで開花を知ってお越しになったのでしょうか?
 「やっと見られた!」と大はしゃぎの方、まったく予期せずに満開の花と出会って喜んでおられる方など様々ですが、一様に花の香りを深呼吸して嗅ぎ、カメラを花に近づけてアップの写真を撮っておられました。
 人のみならず、虫たちもいっぱい集まって来ています。菩提樹の花からは蜂蜜が採れます。高貴なお香のような香りがして、色はやや強めの黄色。「リンデン」と呼ばれて、ヨーロッパの人々に好まれているそうです。
 僧衣を着たり植木屋の格好をして近くにいると、「樹齢はどれくらいですか?」「実で数珠ができますか?」「沙羅はまだですか?」など、いろいろなことを質問されます。
 静かで、しかし熱心なファンのいる花、それが菩提樹。お越しになっている方からはそんな印象を受けます。何万という花と甘い香りで見る人を包んでくれる、そんな魅力的な花です。
 見頃は20日過ぎ頃まででしょう。元気の出ない方は、ぜひお越しになって、花に抱擁されてみてください!




      菩   提   樹   の   花   の   樹   海   へ   蜂   放   つ          石 昌子






                  緑濃く陽に映える          マウスを載せると写真が変わります
 雨の日に木の下に入ると薄暗いほどの時もありますが、今日は木漏れ日がこぼれ、爽やかな風も吹いて、実に心地よい木陰でした。
 緑はもうすっかり盛夏の色。でも、時おり鴬も啼いて、高原の夏のような感じです。
 春になっても新しい葉を芽吹かせることが出来なかったもみじの枝が、緑の中に見えます。また、まるで時季外れの‘紅葉’を見せている木もあります。
 盛りの姿を見せるもの、終焉の様相や衰えゆく景色を見せているもの。万緑の中に栄枯盛衰の姿が見えます。
 境内のベンチに長い間座るには、虫除けが必要となってきました。雨が降ると、お墓や草むらなどで一気に蚊が発生し、その数は並大抵ではありません。
 ボクたちも草引きなどの動きの少ない作業をする時には、必ず蚊取り線香を持参します。境内のベンチで読書や休養をされる方は、虫除けをご持参になったほうが落ち着いた時間が過ごせますよ。


         イチ押しの1本! / 色付き始めた鐘楼脇     マウスを載せれば写真が変わります
 今日は紫陽花も元気がありませんでしたが、明日からは天気予報ではずっと雨マークが並んでいます。水やりの手間が省けるのはいいのですが、外の作業がストップしてしまうのは困ります。でも、梅雨ですから、仕方ありませんね。
 鐘楼の周りの紫陽花も、日に日に色付いてきました。もうしばらくすると見頃です。
 いまボクが一番気に入っているのは、本堂の左前に植えた紫陽花とそれを取り囲む景色です。70〜80センチ角の石をバックに、瑠璃色の小さな額紫陽花が咲いています。木漏れ日を受けると、色の様子が変わって見えます。背景には大きな本堂。しっとり落ち着いた、お寺ならではの景色です。
 難をいえば、周りがまだ苔貼りの途中で、赤土がむき出しになっているところがあったり、苔の中に雑草がいっぱい生えていること。それを差し引いても、すばらしい景色です。
 これまでにもお知らせしたように、いま、本堂裏などでは紫陽花園を整備中です。いろいろな種類の紫陽花を集めたく、あちこちから差し穂をもらったり、ホームセンターの処分品を安価で買ってきたり。もし、「捨ててしまおうかな」と思っておられる紫陽花があれば、ぜひともお譲りください!
 台風も近づいています。荒天にはご注意ください。




   六   月   を   奇   麗   な   風   の   吹   く   こ   と   よ          正岡子規