6/9版
梅雨入り2日目。目が覚めるほど時おり強く降った夜来の雨も、朝からは霧雨のようになり、午後からはあがってどんより曇り空。こんな天気は久しぶりなので、ちょっと物珍しくさえあります。
そんな‘困難’を乗り越えてやってこられた初老の女性たちに、「菩提樹はまだ咲かないのですか? 香りがしたような気がするのですが・・・」と菩提樹下で尋ねられました。 「そうですねぇ、来週でしょうね。今年は少し遅れるでしょうから」と答えて梢を見上げると、蕾からクリーム色の花色が透けて見えていました。「もうすぐですから、もう一度お越しください」と重ねて申し上げました。 この花の魅力は、圧倒的な花数と香りでしょうか? 何万という花が咲いている樹の下に入ると、花のエネルギーと香りに包まれ、とても元気をもらえます。 あと数日お待ちくださいね! 静 か な る 豪 雨 を も つ て 梅 雨 に 入 る 富安風生
先日来の少雨で一番辛そうだったのは、やはり紫陽花でした。多少の水を与えても、なかなかシャキッとなってくれません。 雨がポツリポツリと降り始めた時、ボクの頭の中には、紫陽花の葉がピンと張って、傾げていた首が見る見る起き上がってくる姿がすぐに思い浮かびました。「やったぁ! やっと降る!」 今朝、新しく作っている紫陽花園を見に行くと、そのイメージ通り、紫陽花たちは生き生きとしていました。これから花期を迎える大事な時期。これで安心、しばらくは水やりに心を悩ませなくても済みます。 さぁ、みずみずしい姿を見せて、訪れた人を楽しませてあげてください。
翌日見に行くと、蔓が支柱に巻き付いて万全の態勢を整えていました。後は、恵みの雨と降り注ぐ陽の光を浴びて、ぐんぐん育ってくれるでしょう・・・そう願っています。 実は、ヘブンを育てるのにはトラウマがあります。去年は何度植えても、ある程度大きくなったところで枯れてしまい、結局1輪の花も咲きませんでした。急遽、他の朝顔を植えてその場をしのぎましたが、訪れた方々にはずいぶん残念がられました。 今年も植え付けをしている時には、「去年は残念でしたねぇ」「今年はうまく咲いて欲しいですね」という声を何人もから掛けていただきました。 植える場所の土も入れ替えて万全の態勢で育てています。毎日、水をやってくださる方々もおられます。「今年こそ、咲いておくれ!」と祈るような気持ちです。 雨に濡れる境内も、しっとり落ち着いてとてもきれいです。雨の匂いもステキです。お気に入りの傘をさして、雨を楽しみながらお越しください。 朝 顔 の 二 葉 よ り 又 は じ ま り し 高浜虚子
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