5/11版
「寒いですねぇ」という挨拶にも違和感を感じないようなヒンヤリした1日。久々に上着を引っ張り出して着込みました。
虫の動きが活発になってきたのでしょうか、せっかくの新緑が萎れている枝なども見られます。小枝が落ちているのも、風だけの仕業ではなさそうです。 外で作業をする時も、蚊取り線香が必要な場合が出てきました。今日は職員さんが蜂に刺されました。動きが活発なのは草木だけではないのを実感します。 生きとし生けるものの動きは盛んながら、境内はひっそり静かなのは何だか不思議です。明日大きな法要に備えて掃除をする機器のエンジン音と、防災工事の重機の音などが響き渡っていました。 動 く も の み な や わ ら か し 若 楓 内藤雅子
今まで気に留めて見たことがなかったので、これが何か、調べてみるまでわかりませんでした。銀杏の雌花です。咲きすぎたのか、落ちてきたのです。 ご存知のように銀杏は雌雄異株で、この雌花は雌の木の若葉の根元に咲いているのだそうです。秋になると、この先が大きくなってぎんなんになるのだとか。そういえば何となく・・・。 雌花の先からは液が出ていて、飛んできた雄花の花粉をこの液で捕らえます。捕らえられた花粉は、この液とともに雌花の先にある穴から吸い込まれ、穴の奥にある小さな部屋に入って、5ヶ月かかって精子を作ります。精子と受精する卵は、その小さな部屋の下にある丸い部分で作られ、秋になってようやく精子と卵は出会うのだそうです。 すごい! 銀杏にこんな壮大なドラマがあるなんて知りませんでした! さすが裸子植物!? もっとも、最近はぎんなんの臭気を嫌って雄株の接ぎ木苗が多くなり、雌花を見ることは少なくなったようです。 一方、気の早い花の木は、もう結実を終えた種を降らせ始めました。木の周りは種だらけです。
去年、この木の上に覆い被さっていた梅の枝を剪定したので、今年はたくさん咲いてくれるのではないかと期待しています。その反面、「今年もまた剪定が大変だなぁ」と先のことを考えてしまいます。上の方まで丸く刈り込むのは、なかなか大変なのです。また梯子に登らなくちゃ! 躑躅も甘い香りを漂わせていますが、この後ろで強い甘い香りを発して咲いているのが 香りに比して、花はごく地味です。卵形の蕾のほうが魅力的かも知れません。 雨がちだった一昨日はすごく香っていましたが、今日はそれほどでもありません。湿度が高い方がよく香るなどと聞きますが、一概にはいえません。気まぐれに甘い香りを発するのは、女性と同じでしょうか?
本堂前の菩提樹は、もうすっかり開花の準備を整え、いつでも咲くことが出来る体勢です。開花まで、まだ1ヶ月ほどあるというのに・・・。菩提樹のハート型の葉の新緑も美しいですよ。 紫陽花なども、早咲きの品種は今にも咲き出しそうです。 紫陽花というとかつては梅雨を連想させる花でしたが、今では浅春から花屋さんの店頭に並ぶようになり、すっかり季節感が失せてしまいました。露地ものは早咲きでもまだこれからです。 本堂裏、薬師堂の左奥では白く細い花が高い木に咲いています。「ナンジャモンジャ(ヒトツバタゴ)」です。 この変わった名前は、水戸黄門さんが時の将軍に「あの木は何という木か」と尋ねられた時、返事に窮してとっさに「なんじゃもんじゃ!」と答えたことに由来するなど、諸説あります。 変な名前ですが花はとても可憐で、散り始めた今は、木の下が細く白い花弁で白くなっています。それもまた魅力的です。 この木の横に数年前に植えたアメリカヒトツバタゴも、まだ1メートルに満たない小木ですが、今年初めて開花しました。ヒトツバタゴよりも花弁が細く、樹高は低く、葉は大きいのが特徴です。数十年すれば、並んで咲き競ってくれるでしょう。 来週も気圧の谷や湿った気流の影響で雲が広がりやすいお天気だとか。若葉をより一層美しく見せてくれる快晴を心待ちにしています。初夏の風情をお楽しみください。 初 夏 と ノ ー ト に 書 い て そ れ っ き り 津田このみ
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