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気候が安定せず、暑くなったり、ヒンヤリしたり。おまけに、全国各地で大雨。「せっかくの連休なのに・・・」とお嘆きの方も多いのではないでしょうか?
また、今の境内はあっという間に落ち葉だらけになります。 「落ち葉って、秋でしょう?」と思われるかも知れません。落葉樹は寒くなると葉を落とし、春になると新芽を吹きますが、樫や楠など常緑樹の多くも、やはり今の季節に新芽を出します。その代わりに古い葉が落ちるのです。 正面参道の石段の一番下には楠が生えていて、今はしきりに古い葉を降らせます。その量は並大抵ではありません。 カサコソと落ち葉を踏みながら新緑の道を歩くわけですが、ほとんどの人は落ち葉のことは気にも留めておられない様子。春の落ち葉は感傷を誘わず、皆さん、鮮やかな新緑に釘付けです。 木々の生き様を五感に感じながら歩くと、新緑や落ち葉、木々のすべてが愛おしく思えてきます。 夏 落 葉 有 髪 も 禿 頭 も ゆ く よ 金子兜太
今日、カーラジオで聞いた番組でも、皐月や躑躅の名所を紹介していました。圓通寺、妙満寺、長岡天満宮・・・。 境内にはそんなにたくさんの皐月や躑躅はありませんが、あちらこちらで新緑にアクセントを添えています。近づくと、甘い香りもしています。 書院の庭園でも、霧島つつじ系の木が見頃を迎えています。わずかに1本ですが、土塀と石灯籠との組み合わせがいいですねぇ。 この石灯籠は「燈明寺型」と呼ばれる石灯籠で、鎌倉時代末期のもの。 燈明寺は、京都と奈良の境界あたりに、行基によって建てられたという寺で、幾度もの再建・荒廃を繰り返した後、近世になって、横浜三渓園で本堂や三重塔が再建されました。 灯籠は、三井家が所有されていましたが、昭和60年、真如堂に寄進されました。多くの模造品が造られましたが、これが本歌(オリジナル)です。
すっかり雰囲気に溶け込んでいますが、実は去年植えたばかりで、今年が2回目の開花。とても魅力的な花です。 ボクが「あっ、これいいなぁ。これがあの庭に咲いていたら・・・」と思った草や木を入手して庭や境内に植えるものですから、庭を手入れする植木屋さんは困っているかも知れません。‘仁義’を守って、庭には草しか植えないようにしていますが・・・。 拝観に来られた方が、「わぁー、かわいい! これ、なんていう花ですか?」と説明係の職員さんに聞いておられるのを襖の陰から聞きながら、「やったぁ!」と秘かに手を打っています。 卯の花もまだ植えて2年目なので、まだまだ小さいですが、本堂の周りで目立つことなく咲いています。この写真は自坊の卯の花で、垣根の一部に咲いているものです。 「卯の花」「垣根」と言えば、自然に口ずさむあの曲! ♪ 卯の花の 匂う垣根に時鳥 早も来鳴きて 忍音もらす 夏は来ぬ ♪ 『夏は来ぬ』 そう、明日は立夏です! 押 し あ う て 又 卯 の 花 の 咲 き こ ぼ れ 正岡子規
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