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                     桜はいずこ?      マウスを載せれば写真が変わります

 曇りがちの中で、晴れたり、降ったり、雷が鳴ったりと、目まぐるしくお天気の変わる1日。夜になって雨は本降りになりました。最高気温は16.8度と、ほぼ平年並みでした。
 一昨日は爆弾低気圧の影響で全国的に台風のようなお天気に見舞われましたが、今日もまだ少し風が強めです。
 境内は嵐に揺り落とされた杉の細い枝や桧の実などが一面に散乱し、昨日今日の二日がかりで、ようやく掃除の目処がたったところです。
 ところが、落ち葉運搬用の軽トラックが車検中で使えず、境内の彼方此方にはゴミが積んだまま。掃除用の機械のフル回転していたので、あわやガソリン切れ。あわてて乗用車で買いに走りました。
 思わぬ「遅れてきた春一番」。けが人や建物の被害がなかったのが幸いでした。


          門前の早咲き桜 / ようやく開花、本堂前  マウスを載せれば写真が変わります
 さて、皆さんの関心は桜の開花でしょう。今日も「桜はどんな具合ですか?」という電話が何本も掛かってきました。
 ヒンヤリした日が続いた影響で、京都の桜の開花も遅れ、嵐の3日にようやく開花宣言が出ました。平年と同じだった昨年に比べ6日遅い開花だそうです。
 今年から開花状況を判断する染井吉野の標本木の場所が、京都地方気象台から二条城に変わりました。これまでは「どこで咲いているの?」と思うほどかなり早い開花宣言でしたが、今年は納得がいく発表でした。
 標本木で5、6輪が咲くことが開花宣言の条件ですが、例年、境内で一番早く咲き出す本堂前の染井吉野は、昨日あたりにその条件を満たしました。今日でもそれほど咲き進んではいません。
 それよりも早く咲くのは総門前の桜ですが、この木は花は似ていますが、葉の出方などが染井吉野とは違います。総門前では山桜もひっそりと咲いています。
 「咲きさえすれば種類など何でもいい」という御仁が多いでしょうから・・・。




   く   ち   び   る   に   雨   の   ひ   と   つ   ぶ   初   桜          石田郷子






                 3分咲ほどの縦皮桜       マウスを載せると写真が変わります
 境内で一番早いのは、三重塔脇の枝垂れ桜と本堂横の「縦皮桜」。共に江戸彼岸系の桜です。
 江戸彼岸はすぐにわかります。萼のところが膨らんで、瓢箪のような形をしています。各地に「ひょうたん桜」と名付けられた桜がありますが、これはみな江戸彼岸系でしょう。
 また、この桜は寿命が長く、山高神代桜や根尾谷の淡墨桜などは樹齢千年以上と言われています。「縦皮桜」も春日局お手植えというのですから、370年ほど経っているのでしょうが、それから比べるとまだまだなのですが、最近、樹勢が衰え、枝枯れが目立つようになってきたので、土壌改良や日当たりの改善をしたりと対策を講じています。


          空が青ければ・・・/ 花色は今が一番     マウスを載せれば写真が変わります
 枝垂れ桜は、今が咲き初めの見頃。
 咲き始めは花色も濃く、実に愛らしいものですが、咲き進んで行くにつれて、色は段々薄くなってしまいます。紅梅などもそうですね。
 そんな花弁やこれから咲こうという蕾が、一昨日の嵐で、大量に落ちてしまいました。木の下は‘ピンク色’が散らばり、雨水に運ばれて遠くまで流れていったものもありました。
 今日、改めて見てみましたが、何となく花数が少なそう・・・。肥料をやったり、土壌改良したりして、その成果が出るかなぁと楽しみにしていましたのに・・・残念です。
 桜の「満開」は8分咲の時をいいます。開き切ってしまった時よりも8割程度の方が本来の花の色が美しいからだそうです。何だか人間も同じように思えてきませんか?。
 縦皮桜も枝垂れ桜も、見頃はまだこれからです。染井吉野は、この土日ではまだ5分咲き程度でしょうか?


    咲き出したヘンリー君/ 連翹が咲くと春だなぁって気がします マウスを載せれば写真が変わります
 さてさて、春も日々盛りに近づいている昨今、咲いているのは桜ばかりではありません。
 馬酔木はまだ絶好調! 今年はいいですよ! 山茱萸(さんしゅゆ)も、まだ見られます。椿もあちこちで咲いています。
 自坊では連翹(れんぎょう)が咲き出しました。種を蒔いたレンゲも、今日2輪だけ咲いているのを見つけました。ついでに、雑草も一気に伸びてきました。
 この写真の花はご覧になったことはないでしょう? 「ロドレイア」、和名は石楠花擬(しゃくなげもどき)。マンサク科ロドレイア属で、中国南部〜ベトナム〜ビルマ原産で、香港では正月の飾りに欠かせない花だということです。
 一昨年、通販で求めて植えたのですが、これは「レッドファンネル」という品種で、「ロドレイア ヘンリー」ともいうので、ボクは親しみを込めて「ヘンリー君」と呼んでいます。
 ヘンリー君は、今年、たくさんの花を付けています。アップにすると派手に見えますが、遠目にはあまり目立ちません。さて、どこに咲いているか、探してみてください!





    風   光   る    草   と   い   う   草    お   い   し   そ   う          池田澄子