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          誰かと歩きたい、あたたかい日差しの境内      マウスを載せれば写真が変わります

 今日はまずまずのお天気でした。
 朝一番にうぐいすの声を聞きました。これで3回目ですが、鳴き方が着実に上達しています。そんなところにも春の訪れを感じます。
 境内を歩いている方の服装を見ると、真冬のようなダウンジャケットを着ている人もあれば、ごく薄いコートを纏っている人もあって、そんなところからも季節の移り目であることを感じます。
 日差しはあたたかく、風のない日向にいるとポカポカしますが、日の当たらない屋内に入るとかなり寒く感じます。
 来週は気温のアップダウンがあるものの、冬コートが邪魔になる日も増えるそうです。「冬コートはクリーニングに出しても良さそうです」と天気予報サイトには書いてありますが、ちょっと早いのではないですか?




     こ   の   道   と   き   め    春   光   の   只   中   へ          井上玉枝






              青空も似合う白梅          マウスを載せれば写真が変わります
 いま、境内の季節がどれほど進んだかを見る指標の一つは、梅の花です。自坊の前の紅梅はすっかり色褪せ、今は白梅が盛りとなりました。
 ちょっと危険でしたが、高い土塀に上って、梅の枝に近づいて写真を撮りました。「また落ちたら・・・」と、かなり慎重に。「懲りてないなぁ」と我ながら思いました。
 間近に見る白梅の花は、何とも言えない清楚な姿でした。
 三重塔横の枝垂れ桜の蕾も、じっくりと観察してみました。境内でも一二の早咲きですが、蕾のわずかにピンク色が覗く程度。昨年も開花が遅く、25日頃に咲き始めましたが、今年もそれぐらいになるでしょう。
 京都の染井吉野の見頃は、4月6日〜13日頃だそうですよ。


             まもなく黄の煙とならん、山茱萸の花      マウスを載せると写真が変わります
 もう一つの指標は、本堂裏の山茱萸(さんしゅゆ)の花。先週頃から黄色い花色が見えるようになってきましたが、今日はそれがさらに進み、梢が密集しているあたりが遠目にも黄色っぽく見えるようになりました。
 山茱萸の花は、早春を代表する花のひとつ。この花が咲いてきたら、いよいよ本格的な春がやってきたと感じます。あと1週間もすれば見頃になるでしょう。
 目線よりも少し高いところに花が咲いているので、ちょっとだけ木登りをして・・・やはり、懲りてないです。
 「この花の次はあれが咲いて、その次は・・・」と花の咲く順番はほぼ決まっていて、ラストスパートをして追い越すようなことはなさそうです。
 馬酔木と同じく、足を止めてまで花を見る人が少ないのが、ちょっと残念です。


        境内の彼方此方で咲く椿/ ありがとう、十月桜   マウスを載せれば写真が変わります
 これからの季節、椿も見逃せません。
 境内のあちこちに散らばって植わっているので、椿の‘旬’というイメージは少ないかも知れませんが、多くの木がこれから見頃となってきます。
 今日、本堂の南側の土手の上に、3本の椿の苗を植えました。まだまだ植える予定で苗木を準備してありますので、数年後には、20種類ほどの椿がまとまって見られる場所になるでしょう。春が来るのが、また楽しみになります。
 この土手も、傾斜がきつく、落ち葉があって滑りやすくて、ちょっとコワかった・・・。
 さて、桜の話題に戻りますが、自坊では昨年の10月以来、十月桜がずっと咲き続けています。1輪も咲かなかった日はありません。
 普通の桜は春になってわずか2週間ほど咲くだけですが、10月桜は5ヶ月間咲き続け、さらに4月頃になると、秋や冬に咲かせていた花よりも一回り大きな花を咲かせるのです。こんなに‘働き者’の桜はありません。「細い枝のどこにそんなにたくさんの蕾が隠してあるの? どこにそんなにエネルギーがあるの?」と驚くばかりです。
 春のあたたかい光を浴びて、最後の大輪を伸び伸びと咲かせて欲しいと思います。毎日ありがとう。
 明日からお彼岸です。そして、20日は春分の日ですよ!




     美   し   き   名   を   病   み   て   を   り   花   粉   症           井上禄子