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            墓所へ急ぐ / あたたかい日差しに雪溶ける   マウスを載せれば写真が変わります

 昨日降った雪が、日が高くなるにつれて解けていく境内。
 時おり、屋根の上の雪がズルズルと滑って落ちてきたり、木の枝に残っていた雪がパサッと落ちてきたり、あちらこちらから雪解けの音が聞こえて来ました。また、残っている雪の上を歩くと、ザクッ、ザクッと、「凍てついた堅い雪だよ」という主張が聞こえて来ました。
 今朝はかなり冷え込んで所々が凍り付いていて、足元に気を付けないと滑ってしまいそうでした。でも、差してきた陽の光は、もうすっかり春!
 墓参に来られた母娘が、「春らしくなってきたなぁー」と話ながら、ぬかるみの多い境内を墓所に向かって歩いて行かれました。
 寒そうだけれど春。そんな清く明るく澄んだ今朝の境内の様子は、写真でも文章でもうまくお伝えしにくいものです。
 「しばらくこの世界の中にいたい」 そう思わせる素晴らしい朝でした。


        明るく清らかな時間が流れる / 人影のない境内     マウスを載せれば写真が変わります
 今日は大阪の人が法事をお勤めになりました。
 参列者の中には小学生らしき男の子が2人。玄関に入ってくる前からずいぶん賑やかだと思っていたら、玄関は雪だらけ。雪合戦をしながらなだれ込んできたのでしょう。
 座敷に上がってもハイテンションで、そのうち縁先から雪の庭に落ちたそうで、雪の上は足跡だらけ。トイレのスリッパまで落ちていました。
 大阪ではまったく雪は積もっていなくて、2人の男児のうち低学年の子は、雪が積もっているのは初めてなのだとか。大人たちも「寒い」を連発。大阪と京都でそんなにも違うものなのかと思いました。
 はしゃぎすぎたその子は、とうとうお墓で父親の‘一撃’を食らって大泣き。でも、またすぐに立ち直って、ガリガリになった雪を集めて、境内で大遊びしていました。




    残   雪   に   足   跡   は   み   な   子   供   の   も   の        川崎展宏






          青空に真白き雪 / 砂紋を消す雪     マウスを載せると写真が変わります
 京都地方気象台によると、昨日、京都市内では今冬最大の5センチの積雪が観測されたそうです。でも、境内の雪は5センチどころではなく、少なくとも10センチ。
 今日は市街地にはほとんど雪はありませんでしたが、境内にはまだ結構残っています。やはり、境内は少し寒いのでしょう。
 昨日の雪景色は、時おり青空も出て、絶景でした。
 でも、本堂の前では防災工事のフェンスが目立っていて、絶好のベストアングルの中に入ってしまいました。
 今日、境内で会った人たちも、「フェンスがなかったらねぇ・・・」と残念そう。1年に1度あるかどうかの、快晴の雪景色でしたのに・・・。
 一方、書院の涅槃の庭を見た職員さんは、「期待していたのですが・・・ちょっと積もりすぎですね。もっとうっすら積もったほうが、砂紋が綺麗でしょうに・・・」と残念顔。
 雪によるスリップなどが原因の交通事故が54件発生したり、市内で雪で滑って転倒した歩行者と自転車の計10人が救急搬送されたりと、きれいな雪も迷惑がられ・・・。
 雪が多い少ないと、人間も勝手なもの。雪が積もった時は雪が積もったようにがよろしかろう・・・。


       馬酔木の開花を遅らせるの?/ 山茶花の落花と残雪   マウスを載せれば写真が変わります
 今日は「雨水」でした。「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となれば也」(暦便覧)
 この二十四節気は、中国の気候をもとに作られたので日本の気候とは合わない時期もあると言われますが、季節の移ろいを知るのに大いに役立ちます。
 「今日は雨水ですよ」「啓蟄です」などと聞くと、境内を歩いたり見たりして感じている春の近付く予感が裏付けられる気がします。
 今年は梅や馬酔木の開花なども遅れていますが、桜も平年並みか、やや遅いだろうと言われています。京都は、3月30日開花、4月6日満開(ウェザーニュース)、また3月29日開花(日本気象協会)だとか。とすると、見頃の土・日は、4月7・8日。例年通りです。
 桜もいいですが、まずは静かに梅を楽しみたいですね。
 




    心   解   く   時   く   れ   と   い   ふ   雨   水   か   な        小島一恭