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                寒いけれど春立つ日      マウスを載せれば写真が変わります

 今日は立春。今朝もきびしく冷え込みましたが、「立春」というだけで、気分が違いました。
 今日は晴れ間の多い天気。同じ晴れ間でも、昨日までは「冬の晴れ間」。今日からは「春に近づいていく晴れ間」。そう思うと、日差しが一気にあたたかく感じられるのでした。「気のもちよう次第だなぁ」と、つくづく思いました。
 今日は忙しくて、境内を歩いたのはわずか20分ほどだけ。「あの場所のすみれは咲いているかな?」「あの椿はどうだろう?」とめぼしいところへ行ってみましたが、もう少し腰を落ち着けて境内を回らないと、春の訪れの兆しを見つけることはできませんでした。
 ボクにとって、今日は「立春、立春だ!」という喜びに心躍る1日でした。他の人は、あまり気にもされていない様子でしたが・・・。


      青い空にむき出しの赤土、うなるユンボ    マウスを載せれば写真が変わります
 防災工事のための境内の‘穴ぼこ’は、ますますその範囲を広げています。ユンボで一定距離を掘ってはパイプを入れ、土をかぶせて転圧するという作業の繰り返しです。
 石畳などの部分は真如堂出入りの石屋さんがいったん解体し、パイプを入れてから、また石屋さんが復旧します。太い根があるところはその下にトンネルを掘って進みます。
 業者の手際はいいのですが、「この日は法要があるので、転圧の音を出さないでください」などとこちらも要望を出すものですから、すべてが順調というわけにはいきません。時々、埋蔵文化財の技官が、地層などを見に来たりもします。もし、‘何か’が埋まっていたら、工事は中断です。
 ユンボが働く様子は実に愉快です。「せっかくあんなに掘るのだったら、埋める時に堆肥や土壌改良材を入れて欲しいなぁ」と思ってしまいますが、そうはいきません。ちょっと残念・・・。
 来週からは自坊の前が掘り返されます。お宝でも埋まってないかな? せいぜい、ボクの引いた水道管ぐらいです。




     春   立   つ   と   影   が   勝   手   に   動   き   出   す      萩山栄一






               威勢よく「大般若波羅蜜多経〜」       マウスを載せると写真が変わります
 節分の昨日、本堂では般若心経を365回唱える「日数心経」というお勤めと、般若心経の‘抽出元’の『大般若波羅蜜多経』600巻を転読する「大般若転読会」という法要が行われました。共に除災招福などを祈願します。
 今年は閏年なので366回だという意見もありましたが、一山の僧侶が30分交代で、2・3日の2日間を掛けて380回ほど読誦しました。時々間違うこともあるので、余分に唱えるのが慣わしです。
 大般若転読会は、去年から復活させた行事です。
 本堂裏には、ずいぶん昔から大般若経600巻が置いてありました。古い版木を見ると、かつては境内のお稲荷さんの宝前で勤めたこともあったようです。
 せっかく経本があるのですし、僧衆も揃います。賑やかで人目を惹く法要でもあるので、節分会に‘華を添える’ことにもなります。そこで、復活の運びとなったわけです。
 大きな声で「大般若波羅蜜多経巻第何々巻」などと唱えながら経本をパラパラと転読し、最後にまた大きな声で「降伏一切大魔最勝成就」と唱えて、経本を木箱に打ち付けます。
 その声が本堂の外まで届き、「何? 何が行われているの?」と参拝者が堂内に上がって来られて、しばらくその珍しい法会に釘付けになっておられました。
 張り切って声を張り上げたので、今日はちょっと声が枯れています。
 この先1年間、皆さんに災いがありませんように・・・幸せがまいりますように・・・。


        おいしくなぁれ、金柑!/ 今日も香り立つ蝋梅    マウスを載せれば写真が変わります
 自坊の庫裏の勝手口の前に金柑の木があり、たわわに実った金柑が次第にいい色になってきています。
 風邪の予防や喉にもいいとか言われますが、食べるところはあまりなく、甘露煮やジャムにするのも面倒なので、採って人にあげることが多いです。
 次第に熟していい色になって来るのを見ていると、季節の移ろいを如実に感じます。
 今年はインフルエンザが大流行とか。金柑はインフルエンザの予防にも役に立つでしょうか?
 気温は、今日の立春を境に上がり始めます。一気に春とはいきませんが、行きつ戻りつするのもまた趣のあるものです。
 さぁ、春〜よ、来い!




     金   柑   の   食   べ   頃   と   な   る   恵   方   か   な      岸本尚毅