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             枝に宿る冬の雨粒 / 雨に空気も澄む境内   マウスを載せれば写真が変わります

 雨のしと降る、寒さの少し弛んだ日でした。
 雨が降るのは久しぶりです。正月2日にわずかに降った後はほとんど降らず、境内も乾いていました。根の浅い植物は水を欲しがっている様子でしたので、今日の雨は恵みの雨となったでしょう。
 寒の間に降る雨を「寒の雨」といいます。とても冷たそうな響きでが、今日は寒さを和らげてくれるようなやさしい雨でした。
 小降りになった時に境内をグルッと一回りしましたが、葉を落として春の芽吹きの準備を始めようとしているもみじの枝などに雨粒がたくさん付いていて、とてもきれいでした。
 雨が降っても、今日のように雨粒の出来る日もあれば、ほとんど出来ずに流れてしまう場合もあります。どうしてなのでしょう? 表面張力?
 何もめぼしいものはありませんが、少しぐらい濡れるのもかまわずに散歩していたいと思わせる境内でした。  


      一斉に傘の花開く/雨が降る前の「はい、集合!」    マウスを載せれば写真が変わります
 ほとんど人の気配のない境内でしたが、朝のうちは本堂前にパァーッと傘の花が咲きました。毎年この寒い時期に行われる銀行の新入社員研修です。
 今回は、今日と26日に各100人ずつ、東京から日帰りで来られます。今日の参加者には女性も多く、傘の色もカラフルでした。
 新入社員といっても、もうほぼ1年間、企業人として働いて来られているので、例えば5月頃に来られる新入社員とはまるで雰囲気も違います。
 本堂でスクリーンを使いながら寺の歴史などについて説明、同銀行の創業者の墓参など、普段の研修とはまた違った時間を過ごしていただけたのではないでしょうか。
 ただ、今日は寒さも弛んでいたといっても、普段空調の効いたところで過ごしている人にとっては、ちょっと堪えたかも知れません。それもまた印象に残るでしょう。将来、プライベートに訪ねてくれて、「ここで研修したなぁ〜 寒かったなぁ〜」と思い出してもらえると嬉しいのです。




     寒   の   雨   枯   れ   た   る   も   の   の   華   や   げ   り         右城暮石






      囲いやコーンの目立つ境内 / 穴の中で泥だらけの作業  マウスを載せると写真が変わります
 境内の防災工事が本格化してきました。あちこちに掘削現場を囲む柵が設けられたり、コーンが置いてあったりしています。
 今日は、既設の配管に新たに敷設する配管を繋ぐための分岐口を設ける作業です。
 困ったことに、折角掘った穴は昨夜からの雨で水浸し。雨が上がっても水が引く気配が全くないので、先ずはポンプを使っての水抜き作業から。
 真如堂の土壌は粘土質で、雨水がしみ込んでいきません。植木屋さんに土壌改良などをやってもらっていますが、その成果は? 掘った穴を見ていると、境内の手入れの参考になることがたくさんあります。
 今日は工事現場を行ったり来たり。穴に入りたいなぁ〜 ユンボを貸して欲しいなぁ〜


  どんぐりだらけで、足の踏み場もない/開花が待ち遠しい馬酔木  マウスを載せれば写真が変わります
 「何か面白い景色はないかな? 花でも咲いてないかなぁ・・・」と、時おり小雨が降る中を、カメラを首から提げて境内を歩きました。でも、予想通り何もありません。今はそんな‘落ち着いた’季節なのです。
 墓地の一角、誰もお参りする人がないお墓へ行くと、どんぐりがビッシリと落ちていました。何千という単位ではありません。何万個でしょう。もし集めるとしたら、箒で掃き集めるしかないような数です。
 以前、「どんぐり銀行」の支店が京都にあって、ボクもそこに‘口座’を持っていました。拾ったどんぐりをそこにに持っていくと、どんぐり1個を1D(ドングリ)として‘貯金’ができ、払い戻しの時にどんぐりの「苗木」と交換してくれました。
 一面に広がるどんぐりを見て、「いったい‘いくら’になるだろう?」と思いました。でも、すぐに「これを拾うのは腰によくないなぁ」と思って退散しました。
 滋賀県の長浜で「盆梅展」が始まったというニュースを、今日見ました。樹齢何百年という梅の古木が並ぶ盆梅展がボクは大好きです。同じ頃、長浜の大通寺では「あせび展」で行われ、大きな馬酔木の鉢植えがズラリと並べられます。
 「そうだ、境内の馬酔木はどうかな?」と見に行きましたが、先週と変わらず、蕾はまだ固いままでした。早い年だと、もうそろそろ咲き出してもおかしくないのですが、今年はもうしばらくかかりそうです。
 しばらくは、防災工事の穴掘りが境内各所で行われる、例年と違った寒中の境内。凜とした雰囲気の中の散歩もいいですよ!




      団   栗   の   土   に   還   ら   ん   ひ   と   り   ご   と           吉本 昴