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                青空がうれしいなぁー        マウスを載せれば写真が変わります

 今日は小寒。今日から節分までが、1年のうちで最も寒い時期とされています。
 自坊の蓮鉢も、3つ並んでいるうちの1つだけ、薄氷が張っていました。氷が張るか張らないかの、微妙な最低気温だったのですね。
 朝のうちは少し曇りがちでしたが、昼前から太陽が顔を出して、あたたかい光が降り注いで来ました。お陰で、日向にいるとそれほど寒くはなく、「お陽さんの光って、何て有り難いんだろう」と、しみじみ思いました。
 こんなにいい天気なのに、境内にはほとんど人影がありません。観光の方はすっかり姿を消し、年始の墓参もほぼ終息。ひっそりと静まりかえった境内に、陽光の恩恵を受ける人もいないのが印象的でした。


      冬色の苔に朝の日さす / クッキリ、スッキリの参道    マウスを載せれば写真が変わります
 午前中1回、午後1回、グルッと境内を一回りしました。まだ松葉杖は手放せませんが、最近はちょっと‘お荷物’になりつつあります。どれほど支えてもらったかわからないのに、勝手なものです。
 正直言って、何も面白くない、面白いものを見つけられない境内でした。ハッとするような景色がなく、ただ穏やかな光が差しているだけ。紅葉の時期には絵の具をひっくり返したように色に溢れていた境内が、今はモノトーンで、空だけが青いという印象でした。
 今日から本堂の階段の修復が始まりましたが、大工さんが張り巡らしたブルーシートが異様に青く見えました。
 今は木々の休む季節。1年間、青葉若葉、やれ紅葉だと、さんざん私たちを楽しませてくれた木々たちが、ゆっくりと骨を休めて、また次の芽吹きに向かって力を蓄えるための大切な時期です。
 そう思うと、何の変哲もない冬木立が、急に愛おしく見えてきます。気持ちを変えるだけで・・・。




      山   は   み   な   無   愛   想   な   り    寒   の   入   り         小林一歩






       ぎこちない菩提樹の樹形 / スウッと伸びる銀杏の枝  マウスを載せると写真が変わります
 ‘ネタ’がないので、仕様が無しに裸になった木の枝振りを撮りました。本当は‘色’の付いた写真が欲しかったのですが・・・。
 今までに何度も言っていますが、ボクは木の葉を落とした木の枝振りを見るのが大好きです。
 ご覧ください。表の写真は菩提樹です。ゴツゴツした、竹筆で書いた絵のような枝振りでしょう。堅そうに見えますがとても柔らかくて折れやすく、登る時は細心の注意が必要です。
 裏写真の真ん中は銀杏の徒長枝、その回りはもみじです。
 お寺や神社に銀杏が多いのは、防火樹として見込まれたためです。銀杏などは葉が分厚く、枝や幹もコルク層が厚くて、多量の水分を含んでいます。火災の時に銀杏が水を吹いて消火に役立ったという話が各地に伝わっていますが、あながちただの伝説ではなさそうです。また、銀杏は亜硫酸ガスを吸着して空気を浄化する能力に優れているそうです。
 ただ、銀杏の木は登りにくいので、ボクにとっては見ているだけの木。ギンナン目当ての職員にとっては、宝の木かも知れません。
 もみじも、若木や老木、また種類によっても枝振りが違います。結構折れやすいので、登るには注意が必要です。何だか木登り講座のようになりました。
 子供の頃は木の上に廃材などを持って上がって、‘スミカ’や‘基地’を作って遊ぶのが大好きでした。‘ターザンごっこ’もよくやりました。そんなボクが木から落ちるとは・・・何度考えても「トホホ」です。
 寒さも本番。お風邪を召されませんように。




     冬  木  立   に  ぎ  り  こ  ぶ  し  の  う  ち  熱  し          岸田稚魚