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          日傾く頃の三重塔 / 遠くまで見渡せる境内    マウスを載せれば写真が変わります

 時々青空が見えたり、時雨れたりの、冬の京都らしいお天気となった歳末の境内。
 墓参に来られた方が、「やっぱり真如堂は寒いですねぇ。旅行に来たような気分になります」とおっしゃっていました。京都市内に住んでおられる方なのに・・・。確かに、市街地と比べれば、2〜3度は違うかも知れません。
 今日は、1年の終わりに墓参をしてお墓もきれいにしよう、お正月は出かけるので、早いけれど‘正月の墓参’を済ませておこうなどという方が三々五々お越しになり、境内に人影の絶えない日となりました。
 といっても混雑しているというほどでもなく、こちらも迎春準備をしながら来客対応をする程度。何となくのんびりした1日でした。


     木立と本堂の間から望む塔 / かさこそ枯葉満載のもみじ  マウスを載せれば写真が変わります
 境内の落ち葉掃除もほぼ終わり、苔や地面がすっきりと見えるようになりました。一度では取りきれない落ち葉を、何度も何度も掃除をした成果。気持ちよく年始参りにお越しいただけるでしょう。
 でも、中にはまだ枯葉を付けたままのもみじもチラホラあります。枯れたのなら葉っぱも落ちてくれればいいのに、しっかりと枝に付いたまま。ちょっと未練がましいぞ!
 冬枯れの境内は、木の枝、木の形がよく見えるようになりました。「あの桜はてんぐ巣病だなぁ。切り取らないとダメだなぁ」「あの木は剪定をしたほうがいいなぁ」などと、血が騒ぎます。懲りていませんねぇ・・・。
 冬はそんな木の形を楽しめる季節です。せっかく寒い境内にお越しになったのなら、木々の個性を見てあげて欲しいと思います。




     枯  る  る  と  は  縮  む  こ  と  音  た  つ  る  こ  と          大木あまり






       鳥も見逃す白南天 / 皺だらけの山茱萸の実残る    マウスを載せると写真が変わります
 千両や南天の実が、日に日になくなっていきます。鳥たちの仕業に違いなく、正月過ぎには一つもなくなってしまうでしょう。
 墓地に行ってみると、あちこちに生えている南天は葉っぱだけで、一つも赤い実が見つかりません。でも、これは鳥の仕業ではなく、墓地管理人のなせる業。正月用の松竹梅の供花に色を添えるために南天の実を採ったからに違いありません。
 鳥も白い南天には気が付かないらしく安泰。また、本堂裏の山茱萸の実はとても綺麗に澄んだ赤色ですが、皺だらけになってもほとんど手付かずのまま放って置かれています。よほど美味しくないのでしょう。鳥だって好き嫌いがあります。
 こうして月日が巡り、また春がやってくると、花々が咲き始め、新緑に覆われていきます。1年って本当にあっという間で、毎年多少の差こそあれ、そのサイクルが違うことはなく、また同じことを繰り返していきます。
 東日本大震災、台風12号など、本当に大変な1年でした。皆さまにとってはどんな年だったでしょうか? その2011年もまもなく終わろうとしています。
 今年も「苦沙彌のInernet僧坊」にお越しくださり、有り難うございました。 どうか来年が災いの少ない平穏な年となりますようにと、皆さんのご多幸をお祈り申し上げ、今年最後の更新とさせていただきます。





     う   つ   く   し   や    年   暮   れ   き   り   し   夜   の   空         小林一茶






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