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       西日に浮かび上がる紅葉 / 照る紅葉、散る紅葉    マウスを載せれば写真が変わります

 今年の紅葉シーズン最後の日曜日は、曇りがちながら、時々晴れたり、時雨れたりの、まずまずのお天気でした。
 ここ数日の天気予報が雨だったため、人出はかなり落ち込んでいましたが、今日はまずまずの人でした。
 紅葉は終盤。とはいうものの、真如堂の紅葉は見頃の長いのが一つの特徴かも知れません。
 本堂の前あたりの紅葉はそろそろ終わり。本堂前の、紅葉越しに三重塔を写すことのできるもみじは、今年は色が冴えず残念でした。他のもみじも、毎年見ているボクにとっては今ひとつ。花の木も、見せ場なく散りつつあります。
 「こんなに冷え込みがなければ、きれいになれないよねぇ」と、もみじに同情したくもなります。


       本堂裏のまだら紅葉 / 照ったらこんなに綺麗!!   マウスを載せれば写真が変わります
 これからきれいになるのが期待される場所の一つは本堂裏。色付いてもよし、散った葉が敷き紅葉になってもよしといいたいところですが、遠目にはきれいでも、近づくと‘アラ’が目立ちます。
 紅というよりは茶色っぽく、あるいは黄色っぽくなったり、枯れてしまった葉も目立ちます。きれいな敷き紅葉は残念ながら期待薄です。
 やはり、「頑張ったんだけど、残念だったねぇ」と、ねぎらってあげたくなります。
 それでも、陽が差すと驚くほど鮮やかな色に変身! たくさんの人が集まってきて、木の回りには人垣ができ、たくさんのカメラが向けられます。
 注目を浴びて、うれしい限りです。




      障  子  し  め  て  四  方  の  紅  葉  を  感  じ  を  り          星野立子






    手入れの甲斐あった鐘楼の紅葉 / 照る葉越しの本堂の屋根  マウスを載せると写真が変わります
 もう一ヶ所、今からオススメなのは、吉祥院前の背の高い、黄色く色付くもみじです。
 このもみじを陽の光を透かして見た時の美しさ! 特に、西日が当たる頃が最高です。残念ながら、いいポイントには松葉杖では近づけず、今年は写真がありません。
 例年、遅くまできれいなのは鐘楼前。今年は、垂れ下がっていた桧の枝を切ったので、すっきり見えるようになりました。
 この後、隣の桧の枝打ちをしていて梯子から落ちたのですが、その場所もとても景観がよくなっています。
 本堂の北側では、灯台躑躅の真っ赤な紅葉も目を惹いています。このあたりも、まだ十分見頃です。


                 書院の菊と紅葉         マウスを載せると写真が変わります
 書院では、貫主が手塩に掛けて育てた菊が薫っています。
 嵯峨菊、肥後菊、伊勢菊などの古典菊、厚物、管物などの大菊など、いろいろな種類が紅葉を背景に並べられています。
 結界風に仕立てた小菊が本堂の前の茶所のところにありますが、これも貫主作。株を分けてもらって寄せ植えしたものですが、茶店の人たちから「お客さんにとても好評だった」と聞かされ、うれしい限りです。
 境内の彼方此方に咲く野路菊も、可憐で、控え目で、圧倒的な紅葉ばかりの中で、ホッとさせてくれる花です。折られたり踏まれたり可哀想な目に遭っていますので、来年はもう少し守ってやらねばと思っています。



                下を見れば落ち葉だらけ      マウスを載せると写真が変わります
 まだ1週間ほどはもみじが楽しめますが、境内は次第に落ち葉の季節へと移りつつあります。
 毎朝、人の少ないうちに‘ブロア’という機会で、落ち葉を吹き飛ばして集める作業が不可欠になってきました。そして、もう少し人が少なくなったら、吹き集めた落ち葉を大きな袋に入れて回収する作業が始まります。いつもながらの師走の光景です。
 人で埋め尽くされていた真如堂に、ようやくいつもの静かな雰囲気が戻って来ます。
 人がいなくなってさみしいような、でも心落ち着く季節の到来。それまで、もうそう遠くありません。
 今週も松葉杖で移動しながらの写真です。しゃがむことも難しく、まったく思うように撮れませんでしたが、来週はもっと落ち葉の風情の写真になっているでしょう。落ち葉に寝転んで撮ろうかな!?
 皆さん方、お風邪などひかれませんように。




      人   の   思   ひ   人   の   思   ひ   に   散   る   紅   葉        井上哲王