11/25版
ここ数日の冷え込みのお陰で、境内の紅葉も一気に進みました。濁っていた赤もだんだん澄み、境内全体が明るくなってきました。
本堂の南側に上がって来た太陽が境内を照らし始め、正面参道にも日が差し込んできます。その光を透かして見る紅葉の美しいこと! 真っ赤な木ばかりではありませんが、ちょっと緑っぽい葉や、黄色い葉、そして紅い葉が混じり合った景色が、とても深い味わいのある景色を見せていました。まだ人も少なく、境内も静かで、ゆっくり紅葉を楽しめます。 石段を登って行くと、1年かけて様々な手入れを自らしてきた苦労の跡が、あちこちに見えます。特に10月に行った枯れ枝処理の効果は明らかで、スッキリした紅葉が見られました。「やってよかったなぁ」と、しみじみ思います。 「いろいろなところを回りましたが、ここが一番きれいです」と何人もの人が言っておらたと聞き、「そうでしょう、そうでしょう」とご満悦でした。 か ざ す 手 の う ら 透 き 通 る も み ぢ か な 大伴大江丸
今年は人出も車の数も、例年より少な目です。紅葉が遅いために出足が遅いのか、景気や震災の影響なのか、理由はよくわかりません。 今年の団体客に顕著なのは、本堂の拝観をするツアーが減ったこと。本堂前で解散して自由行動をとり、拝観をしたい人は個々の費用というツアーが増えたことです。主催者側としては、ツアー代をその分安く見せることができます。これも世情なのでしょう。 せっかくお越しになっても、ゆっくり見ている時間がないツアーが多いのはいつものこと。薄暗くなって本堂も閉まった頃に、ようやく境内にたどり着くツアーもあります。 さて、夕方の見どころは、本堂前のもみじ。西日を透かして見ると、それはもう美しい! 朝日の中のもみじとはまた違った、妖艶ささえ感じられる光景です。
正面参道などに咲く「野路菊」。一昨年、姫路で分けていただいたものを、挿し芽で増やして植えました。赤や黄色の中に咲く白い菊の花が、とても清楚に見えます。 残念ながら、かなり手折って持ち帰えられてしまいました。何かを植えると必ず盗られるのは悲しいことです。 こちらも目立ちませんが、椿も咲き始めました。‘饒舌’な中の‘寡黙’という感じで、ホッとします。 車の整理をしている人が、「今日お越しになった方は、笑顔が多かった」と、夕方に話してくれました。天気もそこそこで、紅葉は美しい。皆さんがその光景に満足してくださったということです。うれしいですねぇ。 26・27日は、今年の紅葉シーズン最高の人出となるでしょう。「ゆっくり紅葉を見せてあげたい」と思いますが、とてもそんなわけにはいきません。お越しになる予定の方は、どうぞ時間にたっぷり余裕をもって来てください。紅葉は最高潮ですよ! こ の 樹 登 ら ば 鬼 女 と な る べ し 夕 紅 葉 三橋鷹女
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