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        秋晴れの境内 / 「花の木」の紅葉進む     マウスを載せれば写真が変わります

 一気に季節が進んだようなここ数日。25日夜には近畿地方にも木枯らし1号が吹き、27日朝の最低気温は7.6度と、11月中旬並みの寒さ。境内はもう少し冷え込みました。
 今朝は冷え込みも少し弛み、最高気温も23度まで上がりましたが、建物の中にいると結構寒く感じました。
 晩秋の爽やかな快晴の日。野山を歩いたり、ウォーキングなどをするには最良の日となり、大文字山の上からメールをくれた友人がうらやましく思えました。剪定作業をする植木屋さんは、さぞかし気持ちがよかったでしょう。ボクもやりたかった・・・。
 少しずつ木々が色付いてきた境内。こんなにいい天気なのに、訪れる人はまばらでした。


         銀杏(左)と桜(右) / まだ青々ともみじ      マウスを載せれば写真が変わります
 紅葉の進み具合を尋ねるFAXが、昨日初めて観光協会から来ました。同じく昨日、JR東海と地元紙の共同取材による紅葉情報の写真を撮りに、記者の方が来られました。どうやら29日土曜日が、紅葉シーズンの幕開けのようです。
 今年の紅葉は少し遅れるとの予想ですが、実際はこの後の冷え込み次第。境内は「花の木」と桜の紅葉が際立っていますが、もみじはまだほんの少し枝先の葉が色付いてきた程度です。
 今年は虫による食害も少なく、風に煽られて葉が傷むことも大してなく、もみじの葉は健全。おまけに、ここ1ヶ月ほどかけて、境内のもみじや桜の枯れ枝を可能な限り取ったので、‘見かけ’がどことなくスッキリしています! 自画自賛? あとは、適度な湿度と昼夜の寒暖の差、順調な冷え込みを待つのみです。
 手塩に掛けて手入れをしてきたもみじが、どうか皆さんに感動をしていただけるほどに美しく紅葉してくれることを、我が子のことのように願うだけです。




     行   先   ち   が   ふ   弁   当   四   つ   秋   日   和         松永典子






         朝日差す本堂脇 / すべてを赤く染める夕陽     マウスを載せると写真が変わります
 昨日の記者は、ずば抜けて紅い葉を見て、「今年は紅葉が早いですね!」とおっしゃっていました。「あれは弱っている枝です。きっと枯れていきますよ」と教えて差し上げました。枯れる寸前の枝なのです。毎年、こんなやりとりを何十回も繰り返します。「真っ赤な葉を見たい!」という一心なのでしょう。
 朝夕の景色に、今までの境内とは違ってきた感じを持つようになりました。朝夕の斜めの光は、緑はより緑に、赤はより赤にと、‘本性’を顕わにしてくれるのかも知れません。今日は、「あっ、紅葉が進んでいるなぁ」と実感しました。これからは毎日が楽しみです。
 紅葉が盛りとなっても、一番情趣深いのは朝か夕方です。わけても夕方。刻一刻と変わっていく紅葉の様子には、儚ささえ感じます。


        ちょっといじけた十月桜の花 / 千両染まり、鳥を待つ  マウスを載せると写真が変わります
 ここ1週間ほど、毎日大量に落ちる銀杏拾いに腐心していた職員さんも、昨日あたりからようやく一息つきました。今日はもうほとんど落ちてきません。落ち尽くしたのでしょう。そう思うと、木が渾身の力を振り絞って、銀杏を揺さぶり落としたようにも思えてきます。
 実といえば、千両はもう真っ赤。南天も赤くなってきました。昨日は、傘を逆さにしてムカゴの実を収穫しました。柿もカラスと競って採りました。実りの秋ですねぇ。
 境内の花は、茶所横の去来句碑の脇に咲く石蕗と貴船菊(秋明菊)。いろいろと楽しませてくれた酔芙蓉や藤袴は、そろそろ終わりです。
 自坊では、十月桜が咲いています。これから4月まで、「どこにそんなに仕舞ってあったの?」というほど、次々と花を咲かせます。紅葉の季節に桜というのも奇ですが、真っ赤ばかりの中に‘箸休め’効果があります。
 さぁ、もう11月。木々の毎日の移り変わりに目が離せなくなってきます。くれぐれも、まだ紅葉していませんよ!!




     並  べ  て  は   数  へ  て  は   子  の  木  の  実  か  な          吉成美代子