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    境内に参来する御輿  Photo by T.T / 帰って、還幸祭  マウスを載せれば写真が変わります

 順延になった時代祭が行われた今日、朝早くは秋晴れの爽やかなお天気だったものの、昼前から時おり時雨れる安定しないお天気でした。週末になるとお天気が定まらないこの頃です。
 今日は真如堂も祭り日和。鎮守社の日吉神社の御輿が参来し、太鼓や踊りの奉納も行われました。
 日吉神社は比叡山延暦寺の守護神日吉大社の山王権現を勧請したのが始まりと伝えられ、真如堂が応仁の乱で転々とした時もこの地に留まり吉田神社と協力しながら神事を維持していたようです。
 元禄年間に現在の真如堂が再興されると、日吉神社も地域の産土神として広く信仰を集め、明治初期の神仏分離令までは、隣接する元真如堂境内で神仏一体化して祀られていました。御神体で社宝の一木造木像地蔵菩薩立像(平安時代末期)は神仏習合の名残です。


     本堂前の法樂   Photo by T.T / 子供和太鼓の奉納   マウスを載せれば写真が変わります
 午後、神社で神幸祭が行われた後、御神輿は氏子の地域を巡幸。3時頃に真如堂の本堂前に到着し、一山の僧衆が読経をする中、神主さんや世話役などが焼香をします。
 その後、子供和太鼓や獅子舞、女性たちによるよさこい演舞の奉納などが行われ、御神輿はまた神社に戻って行きました。
 神社の神主さんや世話役の数人は、お十夜の鉦講としても来てくださっている方。御神輿を担ぐ人などにも、町内の人や知り合いがたくさんおられて、ローカル色いっぱい。目一杯張り切っていた‘オヤジ’さんたちは、さぞかしお疲れのことでしょう。
 参拝や太鼓や踊りの奉納の間も時雨が案じられる、秋の佳き日でした。




     秋   祭   り   思   わ   ぬ   人   に   逢   い   に   け   り          久保田一豊






      日ごとに赤みを増す花の木 / 少し色が変わって来ました  マウスを載せると写真が変わります
 秋の深まりを感じるような冷え込む夜があるかと思えば、汗が出る夏を思い起こさせる日中がある、アップダウンの著しい日が続いています。22日は夕方から土砂降り。雷鳴も轟きました。
 過去30年の統計では、今頃の「晴れ」の出現率は8割以上なのですが、週末になるとかなり本格的な雨に見舞われます。そうこうしながら、毎日、平均では0.2度ほどずつ気温が下がっていきます。
 今の時期の乾燥は、紅葉のためにはよくありません。たっぷり水分を含んだみずみずしい葉は、やがて美しい紅葉を見せてくれるに違いありません。後は冷え込みだけです。
 21日に発表された1ヶ月予報では、気温は平年よりかなり高くなる可能性があるとのこと。雨はほぼ平年並みですが、日照時間は少し短そうです。今年の紅葉のピークは、12月初めでしょうか? 今のところ、きれいな紅葉はちょっと期待薄?
 境内の木々も少しずつ色付いて来ています。澄んだ真っ赤な紅葉を見せて欲しいなぁ〜


         ボタボタ落ちてくる銀杏 / 秋明菊と石蕗の花    マウスを載せると写真が変わります
 萩や酔芙蓉の花もほぼ終わり。数日前から、石蕗や秋明菊が咲き出しました。
 去来の句碑の横に咲く石蕗はちょっと太すぎて、風情に欠けます。植えてくれた植木屋さんに「太すぎる」とクレームを言うと、植木屋さん自身も同じ感想の様子。
 でも、今日は「これは何という花ですか?」と尋ねる人がありました。「つわぶき」ですと答えると、「蕗の一種ですか?」と重ねて来られたので、「蕗とは違いますが、食べられます」とお答えしました。石蕗とはいうものの、「キク科」。沖縄では「ちぃぱっぱ」とも言うそうです。雀の学校♪のようです。
 最近、寺務所は銀杏臭くて堪りません。職員さんが境内の銀杏を拾ってきて、寺務所の庭で皮を剥いているのです。
 境内には銀杏の木が3本あり、1本は大きな実が、もう1本は小粒の実がなります。残る1本は例年不作です。
 ここ数日は地面が黄色くなるほどの実が落ちています。近所の人も拾いに来て、中には寿司屋の大将もいます。「拾って帰って商売に使うのなら、茶碗蒸しぐらい持って来い!」と請求しようと冗談で言っています。
 皮を剥いた銀杏は、やがて本堂の窓口でお分けしますが、予約も入るほどの人気もの。銀杏剥きよりも掃除に熱意を注いで欲しいのですが・・・。
 ボタボタと銀杏の落ちる音にも、秋を感じる境内です。




     銀   杏   を   拾   ふ   名   画   の   農   夫   め   き         高田令子