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                 まだまだ緑がちなる境内       マウスを載せれば写真が変わります

 今日は雨を覚悟していたのですが、起きてみたら、案外いいお天気。かなり蒸し暑いものの、何だか得したような気持ちになりました。
 1日中そのままのお天気かと思いきや、午後から遠雷の音。次第にあたりが暗くなってきて、2時過ぎからいきなりの土砂降り。
 ボクは外で植木屋をしていたのですが、あわてて屋内に入ってあちこちの戸を閉め、樋や溝が落ち葉などで詰まって大変なことになっていたので、雨の中ずぶ濡れになりながらゴミを取り除いたりしました。
 朝の快晴と午後の土砂降り、本当に変なお天気でした。こんな天気を繰り返し、一雨ごとに秋は深まっていくのでしょうか?


         キラキラ輝く尾花 / 木漏れ日の中の萩咲き初めし  マウスを載せれば写真が変わります
 境内を歩いても、「花の木」などの枝先の色が少し変わってきた程度で、それほど「秋」の深まりを感じることはありません。
 でも、「あの花は咲いているかな?」などと、歩くスピードを落として秋を探してみると、いろいろな発見があるものです。
 今日、一番「きれいだなぁー」と思ったのは、陽の光に照らされてキラキラ輝いていた尾花。先日見た中秋の名月の情景とこの尾花の景色を瞬間的に頭の中で‘合成’して、もう一度お月見をした気分になりました。イメージって便利ですね。
 萩の花も少し咲いて来ました。
 京都地方気象台が公表している「生物季節観測」によると、今年のヤマハギの開花は6月21日だったとか。平年の8月31日、去年の9月22日と比べると、あまりにも早過ぎる開花です。気象台の標本株だけの異変なのか、気象が異常なのか、どちらでしょう? ちなみに、百日紅は平年よりも2週間遅れの開花だったそうです。
 境内の萩はほぼ平年並みです。まだほんのわずかに咲いているだけなので、「わぁー きれい!」というには早過ぎます。
 そろそろ、俳句を詠む人などから、「萩は咲いていますか?」という電話がかかってくるでしょう。咲いているとわかってお越しになっても、ドキドキ感に欠けて面白くないような気がするのですが・・・。
 境内では毛虫が大発生。植木屋さんに薬を撒いてもらいましたが、まだ退治し切れていません。散策される時はお気を付けくださいね!




     秋 の 野 に 咲 き た る 花 を 指 折 り か き 数 ふ れ ば 七 種 の 花       山上憶良





             いきなり咲く彼岸花 / ポツンと彼岸花       マウスを載せると写真が変わります
 いつも彼岸になると咲いてくれる‘律儀な’彼岸花も、今年は少し早く咲き始めました。
 畦に大群落を作って咲くような景色は境内では見られません。あっちにポツリ、こっちにポツリというような咲き方です。
 咲く場所は毎年同じなので、想定される場所をグルッと一回り。でも、‘想定外’の場所に、突然咲いていたりするから不思議。誰かが球根を移植したのでしょうか? そんなことをするのはボクしかいないはずですが・・・。
 彼岸花にはいろいろな言い伝え、タブーがあります。「家に持ち込むとその家が火事になる」「亡くなった人や思いが花となったものだから、手折って持って帰ってはいけない」「もとは白い花だったのが平家の血で染まった」など様々。プラス思考のものはなさそうです。
 ボクは韓国の言い伝えが大好きです。韓国では彼岸花を「想思華」と呼ぶそうです。彼岸花は、葉と花が別々に出るので、葉が花を、花が葉を見ることはことはありません。だから、花は葉を想い、葉は花を思う、それが「想思華」という名前の意味です。火事になるなんて言っているより、よほどロマンチックじゃないですか?


         束の間の花 / アサギマダラは期待薄、藤袴    マウスを載せると写真が変わります
 絶不調とお知らせしていた茶所前の西洋朝顔ヘブンリーブルーですが、とうとう、1輪も咲かずに枯れてしまいました。
 最後の株が蔓を伸ばしていたのですが、3日ほど前から急に萎れ始め、今日はもう諦めるしかない状態になりました。今年育てた株は30以上。それが、原因不明のまま、すべて枯れてしまいました。ショックというより他にありません。
 今、種をいただいた朝顔が毎朝咲いていますが、朝のうちに花は終わって萎れてしまいます。
 藤袴も今年は絶不調です。大きくならず、花期を迎える今になって、枯れていくものもあります。
 ヘブンも藤袴も、気候だけが原因なのでしょうか? 同じ肥料を使っているので、それも疑われます。共に、また来年・・・。
 いま元気なのは酔芙蓉。毎日、たくさんの花を付け、白から濃いピンクまで、1日のうちに楽しませてくれています。木槿むくげもまだ見頃です。
 少しずつ、でも確実に秋が深まっていく境内。ゆっくり歩いて、‘秋’を見つけてみてはいかがですか?




       と  ど  ま  れ  ば   我  も  素  足  の  曼  珠  沙  華         あざ蓉子