9/3版
昨夜から台風の風が強まり、時々、「ピュー」という風音が聞こえたりしています。
真如堂に「風禍」という写真帖があります。そこにはモノクロの四つ切りサイズの写真が20枚ほど貼ってあります。 伊勢湾台風の時の境内の被害の様子を写したものですが、驚くような光景ばかり。「たてかわ桜」もこの時に倒れました。「倒木だらけで、普通に歩けなかった」とも聞きます。 それまでの境内は松の木が鬱蒼と生えていましたが、伊勢湾台風で多くが倒れたり折れたりして、その後の松食い虫の被害で枯れ、今ではわずかとなりました。その副産物として、紅葉が際立って来たのです。 「天災は忘れた頃にやって来る」とよく言いますが、忘れるどころか、3月の東日本大震災で、その怖さは骨身にしてみています。 境内の今回の台風被害は、木々の枝が折れたり、提灯や看板が飛ばされたり程度です。早く遠ざかり、少しでも被害が少ないように祈るばかりです。
銀杏の実がいっぱい落ちてしまいました。7月の台風の時にもたくさん落ちましたが、それにも増して今日は落ちていて、もう木の枝にはほとんど残っていないのではないかと思うほどです。 熟して落ちてくるようになると、職員さんが拾って皮を剥き、本堂で少しお金をいただいてお分けしています。わずかながら職員さんのお小遣いになるのですが、今年はほとんどないかも知れません。かわいそう。 ‘裏写真’は、ワイヤーに括り付けてあったおみくじが、右方向から吹いてきた風によって左側に寄せられたという、ただそれだけの写真です。はい。 大 い な る も の が 過 ぎ ゆ く 野 分 か な 高浜虚子
この木も一番高く伸びた枝が枯れてしまい、すっかり樹形が悪くなってしまいました。往時の美しさを思い出します。 台風の影響を調べるために境内を歩いていて、本堂の北側にほんのわずかに咲いている百日紅を見つけました。 境内には百日紅が6本ほどありますが、今年はどの木も不調で、花もわずかしか咲きませんでした。百日紅には合わない気候だったのでしょう。 ちなみに、本堂の破風のところにある網目は鳩除けではありません。「ドレンチャー」という防火設備で、類焼・延焼を防ぐために水を放水して建物の周りに水幕を張る設備です。
今年、数株増やして補強しましたので、まだ小さい木ですが、これから境内の数か所でご覧になれるでしょう。 昨日は2輪、一昨日は3輪咲いていたのに、今日はゼロ。風が強いことを察知して咲かなかったのでしょうか? 茶所前のヘブンリーブルーは、結局、1株だけ生き残りました。でも、まだ1輪も咲いていません。 急遽、種をいただいた他の朝顔を植えましたが、朝のわずかな時間咲くだけで、おとなしい色合いということもあって、とてもヘブンに代わるものではありません。 ヘブンを見に来てくださる方も多く、本当に申し訳なく思っています。それにしても、何が原因で次々と枯れてしまったのか、いまだにわかりません。 まだまだ残暑の日が続きます。夏の疲れも出てくる頃かも知れません。皆さん、どうかご自愛ください。 う す う す と 刻 を 染 め ゆ く 酔 芙 蓉 岡田和子
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