7/22版
曇りがちな1日でした。晴れ間はほとんどなく、時々黒い雲が空を覆って、雨粒が落ちてくることが何回もありました。
見どころといえば、総門を入った駐車場付近に咲いている 台風を境に大きくなった蝉の声も、人によってはうるさく感じられることでしょう。 夏の境内の魅力、それは緑陰にあるのではないでしょうか? 汗を拭き拭き急坂を上がって来て境内に到り、ふと見つけた木陰のベンチに腰を下ろして、まずはお茶を飲む。そこへ、緑の匂いのする涼風がさぁーっと吹いて、心地よさを届けてくれる。そんな光景が目に浮かびます。 タクシーを乗り付けて境内をさっと一回りしても、そんな夏の境内の素晴らしさは、これっぽっちもわかりません。 並大抵ではない京都の夏の暑さですが、かいた汗の量だけ、報われるものがあるかも知れません。 本 堂 の 開 け 放 さ れ て 夏 木 立 伊藤たけ
台風が過ぎた20日、本堂正面の外陣の上に吊してあった六角形菱灯ろうの紙の張り替えに着手しました。30年ぶり、いえ、もっとかも知れません。 大きく重い灯ろうを降ろすのも一苦労。梁に滑車を括り付けて、数人がかりの作業でした。 今日、2日がかりで紙の張り替えが終わりました。手を目一杯伸ばしたり、仰向けになったりと、なかなか大変な作業だったようです。 帰りに霧吹きをしたらしいですが、「ひょっとしたら、剥がれているかも知れません」とのこと。またやり直しでしょうか? とりあえず、明日の午後、また職員総出で引っ張り上げます。 本堂のお参りになったら、まずはきれいになった六角形菱灯ろうをご覧ください。
気候の関係で、いろいろな花の咲く時期がずれたり、花付きが悪かったりしている今年、蓮の花の数も少し少ない気がします。真如堂の他の塔頭の蓮も、やはり花の数が少な目です。 「黒谷さんはどうかなぁ}と思って、今朝、散歩がてら見に行ってみました。 真如堂と隣接する紫雲石(西雲院)さんの本堂の前庭には、数十鉢の蓮が並んでいます。 赤や白の蓮の花が目に飛び込んでくるのを想像して門をくぐったのですが、「あれっ?」と肩すかしされたような感じでした。咲いていたのはわずかに4輪。見回して探して、やっと花を見つけたという感じでした。 文殊塔の前の長い石段を降りて、極楽池へ。ここは例年、紫雲石さんよりも花数は少ないので、それほど期待していませんでしたが、咲いていたのは2輪でした。 やはり、今年はどこともあまり蓮の‘成績'はよくないのでしょうか? 「何百、何千という蓮が咲いている光景を見たいなぁ」と思って、トボトボと帰ってきました。
前回に書いたように、蓮は4日間で咲いて散っていきます。 1日のうちでも、朝、夜明けと共に開き始め、満開になるのは8時頃でしょうか。それからまた昼にかけて閉じていきます。お昼に見に行っても、時すでに遅いわけです。 泥水の中から生じながらも清浄な美しい花を咲かせる蓮は、仏の智慧や慈悲の象徴とされ、たとえば仏様の台座は蓮華をかたどっていますし、「一蓮托生」などという言葉もあります。 この花は文句なしに美しく、清浄です。近くに寄って見てもまたよし、雨粒の付くのもよし。葉もまたよし。夏に蓮という花が咲いてくれてよかったと思います。 台風の強風にも、蓮の花も葉も、まったく被害はありませんでした。 酷暑の日々、どうかご自愛ください。 ゆ る や か に ひ る が へ り つ ぐ 蓮 か な 軽部烏頭子
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