7/9版
猛暑日となった今日。照りつける太陽、空にポッカリ浮かぶ白い雲。とても日向にはいられませんが、日陰にいると風が心地よい感じです。
木の葉たちは強い陽の光を遮りつつ、心地よい木漏れ日を与えてくれます。幾重かの葉が熱い光を和らげ、気持ちのよい風が渡ってきます。ジメジメした梅雨の頃の風とはまた違います。 木漏れ日のベンチに座って詩集でも読んだら、すごく気持ちが豊かになりそう…木漏れ日でも紫外線は強いそうですから要注意! 「梅雨明け十日」という言葉があります。梅雨が明けてから十日間ほどは、お天気が安定するということです。登山などには最適な時期とされてきました。ところが、今年は太平洋高気圧がスッポリと日本付近を覆う形ではないので、少々不安定なのだとか。 節電の夏。部屋の中で暑さに堪えているぐらいなら、カラッと晴れている日に、境内で夏を満喫するのも一つの手です。盛夏の木陰をお楽しみください。蝉も数日前から鳴き始めました! 緑 陰 は 詩 人 の 個 室 風 通 ふ 小澤克己
一昨年の11月に総門前から現在の場所に移し、これで2回目の夏を迎えます。去年の夏は少し元気がありませんでしたが、今年はたくさん咲いてくれそうです。 種類もいろいろあるので、木槿の図鑑を見るようにも楽しめますよ。 紫陽花はもうそろそろ終わりです。今年はちょっと精彩を欠いていました。気候のせいでしょうか? 気候の影響でほとんど花が咲かないのは、自坊のモクゲンジ。ほとんど花が付かず、普段なら花の房がたくさん付く細い枝のようなものが、木の下にいっぱい落ちています。こんなことは、ここ30〜40年来で初めてのことです。
この花は近くに住んでいる職員さんが、自宅では増えすぎて困るからと持ってきて植えてしまったものです。この職員さんは、境内にある気に入った花を持って帰ったりします。花が行ったり来たり・・・。 「変な花だったら困るなぁ」と思っていたら、この場所にとても似合っています。意外にも、南アフリカ原産です。檜扇といえば祇園祭の花。確かに、色が良く似ています。 自坊の前の銀杏の木の下のは、いま、小さいギンナンの実がいっぱい落ちています。 通りがかって、木を見上げる人、拾い上げてじっくり見る人、いろいろな方がおられます。「うわぁー、もうギンナンが落ちている!」と歓声を上げて拾い集めようとする人には、「まだ食べられませんよ」と言ってさしあげることもあります。 これは‘生理落果’という現象で、樹が自分で実を落として実の数を調整しようとしているのです。多くの木に見られます。 踏んでつぶれると、白っぽく、まだ固まっていない果肉が出てきます。とても食べられるようなものではありません。 夏の境内、案外多くの花が咲き、見どころも、楽しみ方もいろいろあります。 祇園祭も、明日からは鉾立が始まり、いよいよ佳境に入ってきます。人混みに疲れたら、ぜひ緑陰の風を楽しみにお越しください。 炎 天 の 老 婆 に 無 事 を 祝 福 さ れ 瀧 春一
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