7/1版
今日は久々の雨だというので、心待ちにしていました。ここしばらく雨が降らず、境内はカラカラに乾いて、紫陽花などが少し首を傾げてきていました。
女性一人、若いカップル、熟年カップル、にぎやかな初老の女性たちなど、「何の目的で来られるのだろう? こんなに暑い時に・・・」と見ていると、ほぼすべての人が本堂前の沙羅や菩提樹の前で足を止めて、写真などを撮っておられます。 沙羅は、今が見頃。毎日、何十という花が咲いては落ちていきます。特に女性には人気の高い花です。 数日前から、菩提樹の木の下には葉っぱのようなものがいっぱい落ちてきています。これは葉ではなく、花序の柄にあるヘラ形の「苞」と呼ばれるものです。 秋になると、この苞が羽根代わりになって、菩提樹の実がクルクルと回りながら落ちてきます。いま落ちているのは、結実しなかったものの苞なのでしょう。これも今ならではの光景です。
シャシャンボは書院の庭にある木で、漢字では「小小ん坊」と書きます。ツツジ科で今頃小さく白い花を咲かせ、秋には黒紫色に熟した実が、甘酸っぱくて食べられます。 花は小さくてあまり目立たないのですが、この木のファンの方なのでしょう。 「えーっと、もう終わったんじゃないでしょうか」といい加減に答えてしまいましたが・・・いまが見頃です。スミマセン。 「随縁の庭」を作庭してくださった重森さんによると、シャシャンボでこんなに大きな木は非常に珍しいのだとか。境内のどこにでも生えているのであまり気にしていませんでしたが、樹齢はおそらく300年ほど。もっとアピールしないといけませんね。 花と一緒に写っている石灯籠は、燈明寺灯籠と呼ばれる鎌倉時代のもので、もともとは京都府加茂町にあった燈明寺のもの。時を経て、人から人へと渡り、近年、真如堂に寄贈されました。 石造品に詳しい人からすれば、「燈明寺の本歌がこんなところにあったのか!」と驚かれるほどの名品です。あわせてご覧ください。 紫陽花も今が見頃。探してみれば、いろいろ見どころのある境内です。酷暑の中、どうかご自愛ください。 卓 上 日 記 い ま 真 二 つ 半 夏 生 鈴木栄子
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