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                  緑はいいなぁ〜       マウスを載せれば写真が変わります

 快晴ではありませんが、久しぶりのお日様でした。
 朝夕は肌寒いほどの日もありましたが、今日の昼間は動くと汗ばむほど。先月25日以来の夏日でした。
 記録的に早い梅雨入りでしたのに、その梅雨らしさは立派なもの。雨の日が続き、昨夜は夕立と雷も。天気も気温も不安定な今日この頃です。
 境内の緑はますます深くなりました。それでいて真夏のような‘くたびれた’感はなく、たっぷりと雨水の恩恵を受けてみずみずしく、色にも若々しさが残る、包み込んでくれるような緑です。
 そんな緑の中を飛び回る小鳥の鳴き声が聞こえてくる静かな境内。高い杉の木のあたりから、木を小刻みに叩く音が聞こえてきます。コゲラやアオゲラなど、キツツキの仲間が、くちばしで木をリズミカルに突いて音を出しているのです。深山幽谷の感が漂い、なかなか風情があります。


            お天気だと、尚更いいなぁ〜         マウスを載せれば写真が変わります
 緑を渡る音と言えば、今月から朝夕6時に梵鐘の音が聞かれるようになりました。鐘の音の復活は、10年ぶりぐらいです。
 ボクも15年ほど前、8ヶ月間ほど鐘を撞いたことがあります。鐘撞きは本堂前の茶所に住む人がすることになっていて、自坊を建て替える時にボクもそこへ仮住まいをしました。
 朝夕6時に休みなく‘定点’にいると、四季の移ろいが本当によくわかります。夏を過ぎるとだんだん日が短くなっていき、冬は朝夕共に真っ暗です。春が訪れると一気に日が長くなり、八重桜が咲く頃には鐘楼が花で包まれます。夏の6時は明るく、秋の訪れと共にまた日が短くなっていきます。鐘楼から見る西山と夕焼けの景色も秀逸です。
 そんな‘ご褒美’付きの鐘撞き。冬は辛いですし、雷のなる時は恐い…。何よりも、夕方の6時に必ず戻らなければいけないというのは並大抵のことではありません。
 緑の葉と葉の間に静かに染み込んでいくような梵鐘の音。風情ある景色の復活です。




     万   緑   や   力   を   こ   め   て   鐘   を   つ   く          下村非文





            菩提樹開花遅し / 6月は結構花盛り       マウスを載せると写真が変わります
 6月になると、「菩提樹は咲いていますか? いつ頃が見頃ですか?」という電話がかかってくるようになります。
 今年は菩提樹の開花も少し遅れ気味の様子です。開花は10日過ぎ、盛りは18日頃ではないかと思います。たぶん・・・。すっかり真如堂の‘名物’になりました。
 紫陽花もやはり遅れ気味。咲いているのは、早咲きの額紫陽花だけです。
 裏写真は自坊の門の中ですが、七段花などの額紫陽花、皐月、紫蘭など、いろいろな花が咲いています。
 開花が遅かったつつじの剪定を早くしなければと思っているのですが、つい先日終わったばかり。皐月ももうすぐ終わりそうなので、今年は一緒にしてしまおうと思っています。
 エゴノキに花が咲かなかったり、逆に山法師が満開だったり、今年はいろいろと番狂わせです。


              うわぁー おいしそう!       マウスを載せると写真が変わります
 今日は番狂わせ特集にしてしまいましょう!
 可愛い花でしょう? 特に蕾が金平糖のようで、本当にかわいい! カルミヤ(和名は花笠石楠花)です。
 もったいないですが、普段は誰も入ることのできない限られた場所に植わっていて、高さが3メートルほどもある大きな木です。大正4年に初めて日本に輸入された木だそうですが、ひょっとしたらその頃のものかも知れません。
 カルミヤも今年は花が少な目です。剪定は一切していませんが、去年咲き過ぎてお疲れなのかも知れません。
 裏写真は、染井吉野の実です。赤いのはまだ十分に熟していないもの、黒紫のは熟したものです。
 染井吉野は自分自身の花粉では実らない性質が強いので 種がつくことはあまりありません。境内の桜でも、山桜は結実しますが、染井吉野はほとんど実がなりません。
 ところが、今年は何本もの木が実を付けています。番狂わせの実は結構大きく、何だか美味しそうです。
 ただ、染井吉野同士で受粉し結実した種を蒔いても、発芽はしないそうです。染井吉野と他の桜なら、発芽も可能とか。ですから、染井吉野はもっぱら、接ぎ木や挿し木によって増やされているわけです。
 いろいろな気候の変化などを乗り越えて成長し、花を咲かせる植物たち。枯れていくものもあれば、また新たな芽生えもあります。実に不可思議でありながら、大きないのちの法則を見せてくれている気がします。
 また雨になりそうです。梅雨らしいムシムシとした暑さもやって来ます。どうか、ご自愛ください。




       さ   く   ら   ん   ぼ   踏   め   ば   潰   れ   て   夏   来   る       遠藤梧逸