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                新緑のお散歩 / 若葉の本堂で      マウスを載せれば写真が変わります

 朝早くは涼しいくらいでしたが、日中は汗ばむほど。今年に入ってから5度目の夏日となりました。
 今日は京都3大祭の一つ「葵祭」の日。葵祭は雨に祟られることが多いのですが、今年は雨の心配など何もいらない、行列をする人の暑さが心配な祭りとなりました。
 平安時代の装束に身を包んだ500人余りの行列は長さ1キロ。京都御所を出発した行列は、下鴨神社で神事を行った後、上賀茂神社に向かいます。新緑の中、きっと美しかったに違いありませんが、ボクもたった1度だけ見に行った時は、同じような行列にちょっと退屈してしまいました。
 何か催事があった時は、少しは訪れる人の増える境内ですが、今日はほとんど変わりなし。葵祭のために京都に来るという人もあまり聞かず、普段通りの日曜日でした。


       ‘緑’が変わって来ました / 新緑と目つきの悪いミーコ  マウスを載せれば写真が変わります
 10・11日は大変な雨が降りました。その雨を契機に、境内の緑の色が一気に濃くなってきた気がします。
 日本気象協会が「日本版二十四節気」を作るそうですが、それはさておき、6日の「立夏」を過ぎて、その言葉通り日に日に緑が濃くなってきました。
 今日は八重桜の葉が、真夏のような色に変わったのに驚かされました。雑草は一気に草丈を延ばし、毛虫も蚊も出てきて、「夏」の言葉に違和感を感じなくなりました。
 季節が移ろうスピードの何と早いこと。いい季節はあっという間。熱い夏や極寒の冬は、なかなか変わっていってくれない気がします。
 草木も春から初夏に掛けては、花を咲かせたり、新芽を吹かせたりと大忙し。それが出来なかった枝や木は枯れていく。明暗のはっきり分かれる季節でもあります。




        初  夏  と  ノ  ー  ト  に  書  い  て  そ  れ  っ  き  り        津田このみ





       自坊門前の大つつじ / かわいい西洋ウツギの花     マウスを載せると写真が変わります
 自坊の前の大つつじがやっと満開になりました。
 いつも連休の頃に咲くのに、今年の連休にはまだ蕾は固く、いったいどうしたことかと心配しました。各地の様子を見ても、やはり開花がずいぶん遅かったようです。
 連休を外しての開花なので、見てくれる人もちょっと少な目です。残念。
 去年植えた西洋ウツギの一種も咲き始めました。
 まだ小さな株ですが、「かわいい花ねぇ」などと通りがかる人の注目を集めています。ボクの大好きはタニウツギにも似た、本当にかわいい花ですねぇ。
 昨年、4種類ほどの西洋ウツギを植えたのですが、今年の開花はこの花がトップバッター。次はどれが咲いてくれるのか楽しみです。1年経つと、どんな花だったか忘れてしまいましたので、感動は新鮮なままです。


          何でしょう? / 美味しそう! しばし待て!    マウスを載せると写真が変わります
 ビッシリと地面に落ちているもの、何だかおわかりになりますか? 「花の木」の種です。
 2センチほどの翼果が、先日来、降るように落ちてきて、木の下は種でいっぱい!
 たくさんの種がクルクルと螺旋を描きながら落ちてくる光景には目を奪われます。また陽の光が当たると、とてもきれいです。
 自坊の桜ん坊の実が赤く色づきました。10日ほど前にはまだ青くて固かったのが、あっという間に真っ赤。でも、まだ鳥が食べに来ないので、熟して美味しくなってはいないのでしょう。鳥たちは本当によく知っていますから。
 「花の木」も桜ん坊も、ついこの前花を咲かせていたのに、もう実が熟してきているのですね。ここにも時の流れの速さを感じます。
 5月は晴れることが多いようにも思いますが、実は月間雨量では6・7・9月に次いで降水量の多い月です。「五月晴れ」という言葉も、旧暦の5月の晴れ間のことで、この5月の晴天をいう言葉ではありません。
 たっぷりの雨を吸って、草木は茂り、ますますその色を濃くしていきます。また1週間後は、少し違った景色をお届けすることが出来るかも知れませんね。
 気候が不順です。お体にお気をつけください。




     新   緑   や   う   つ   く   し   か   り   し   ひ   と   の   老         日野草城