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                曇天が惜しい初夏初日の新緑       マウスを載せれば写真が変わります

 連休の合間のウイークデイ。曜日などあまり関係ない生活をしているボクにとって、休日であろうが平日であろうが、大して変わりません。
 ただ、最近の連休は普段の土日よりもずっと暇なことは確か。連休中は法事などがほとんどないのです。結婚式などでも同様らしいですが、連休に法事などをすると親戚から嫌がられるのだそうです。「遊びに行けない」と。時代も変わったものです。
 そういう‘平日’。境内を訪れる人は、普段よりも少し多目でした。
 本堂で重要な法要があるので、書院庭園も含めて拝観休止。せっかく来ていただいた方には申し訳なかったですが、新緑の境内を歩いていただくだけでも値打ちがあったのではないでしょうか。


         木々それぞれの新緑 / 菩提樹の新緑もいい!   マウスを載せれば写真が変わります
 新緑の色合いは日一日変わり続けています。赤い花が咲いて、緑と赤の複雑な色合いになっていたもみじも、花がほぼ終わって、緑勝ちになってきました。まさに新緑の境内です。
 もみじの新緑の色、桜の新緑の色、樫の木の新緑の色、皆それぞれ違います。
 『阿弥陀経』というお経の中に、極楽浄土に咲く蓮の花のありさまを語った「青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光」という部分があります。青い花は青い光を放って輝いている。黄色い花は黄色い光を放って輝いている。赤い花は赤い光を放って輝いている。白い花は白い光を放って輝いているということですが、それぞれ花がそれぞれの光を発している、つまりそれぞれがそれぞれに素晴らしい、オンリーワンだということです。
 新緑の木々を見ていると、まさにその通りだと思えてきます。




      初   夏   の   木   々   そ   れ   ぞ   れ   の   名   の   眩   し        村上鞆彦





   葉の上に種の付くタイプのもみじ / 「花の木」の種はぶら下がり マウスを載せると写真が変わります
 つい数日前に花が終わったと思えるもみじや花の木に、もう種が付いています。驚くべき速さです。
 小さな種に気が付かない人も多いので、「これがもみじの種ですよ」と教えてあげることもよくあります。「へぇー 初めて見ました!」と喜んでくれる人もあれば、「そんなこと、興味ない」という方もおられます。
 花の木の中には、もう種を降らし始めた木もあります。種は‘翼’を含めると2センチ以上あり、本格的に降り始めると、それは壮観です。次々と楽しみが絶えません。
 立夏を迎えても、境内の新緑の本番はまだまだ続きます。連休もあと2日。境内のベンチでお弁当を食べながら新緑を満喫されてはいかがですか?


        甘い香りのつつじ / 超甘い香りのおがたま     マウスを載せると写真が変わります
 つつじも咲いてきました。例年よりは少し遅れているように思います。
 日当たりが悪いと花付きが悪いつつじ。大きくなっていてもぜんぜん花が咲かない木もあります。かといって、陽の光を遮っている木の枝などを切るわけにもいかず・・・。あっちを立てればこっちが立たずです。
 同じような半日陰でもよく咲いてくれるのが唐種招魂からたねおがたまの花。花は地味で咲いているのかどうか遠目にはよくわかりませんが、香り立つことでは群を抜いています。咲いていることを忘れていても、「咲いているよぉー」と匂いで思い出させてくれる花です。
 八重桜や藤の花は終わり、今はつつじ、シャガ、馬酔木、皐月などが咲いています。もうすぐ、ナンジャモンジャや卯木なども咲いてきます。
 花の季節から、新緑の季節、風薫る季節へと次第に移っていきます。紅葉もいいですが、若緑も本当に素晴らしいですよ!




    あ   ら   た   う   と   青   葉   若   葉   の   日   の   光        松尾芭蕉