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                弥生尽の境内       マウスを載せれば写真が変わります

 連休が始まりました。京都市内でも、高速道路に通じる道などが少し混雑しているようですが、何となく、例年の連休のような活気は感じません。
 天気が安定しない日が続いていました。晴れるという予報の今日でさえ、灰色の雲に覆われたり、少しパラッと降る時もありました。
 でも、晴れたり、曇ったり、降ったり、雷鳴が聞こえたりというここ数日に比べたら、ずっとマシ。少し安定した、晴れ間の多い天気でした。
 本堂裏のお堂の屋根の葺き替えをしている職人さんは、朝来たものの、降られて仕事が出来ずに帰るという日々。工事日程がずいぶん遅れてしまいました。今朝は、「やっと仕事ができます」と喜んでおられました。



              いろいろな色の混ざる境内の木々       マウスを載せれば写真が変わります
 緑がきれいになってきました。1日、1日、新緑の色合いが微妙に違っています。もちろん、お天気によっても見え方がずいぶん違います。 やはり、晴れた日の新緑は素晴らしくきれいです。
 「紅葉の頃もいいですけど、新緑もいいですね」という声を、今日は何回か聞きました。もちろんです!
 新緑は気分も清々しくしてくれますし、リフレッシュ効果も満点! その中に身を置いているだけで、何かが浄化されていくような気もします。
 そんな境内ですのに、訪れる人はまばら。もったいないですねぇ。
 5月2日は八十八夜、6日は立夏。「八十八夜の忘れ霜」「さつき寒」という言葉があるように、朝夕はまだ少しヒンヤリすることもありますが、夏はもうすぐそこです。
 新緑は緑だけでも数色。そこに赤や黄、からし色までがない交ぜになって、青空に映える光景は本当にきれいです。もう少し季節が進むと、色が集約されていきますから、微妙な色合いを楽しむのなら、今が最高の季節かも知れません。




      八   十   八   夜    草   の   匂   ひ   の   猫   を   抱   く          坂本敏子





        品種選びミスの垂れ下がらない藤 / 灯台躑躅と皐月  マウスを載せると写真が変わります
 境内ではたくさんの花が咲いています。
 つつじや藤の花も咲き始め、甘い香りに誘われた蜂たちが飛び交うようになってきました。
 鐘楼の周りの八重桜は盛りを少し過ぎ、木の下は花びらの絨毯のよう。「あそこで寝転んだら、どれほど幸せな気分に浸れるだろう・・・」と想像するだけで幸せです。
 馬酔木と灯台躑躅どうだんつつじは共にツツジ科で、花もよく似ていますが、馬酔木はちょっと控えめで、灯台躑躅の花のほうが少し派手。「満天星躑躅」とも書くように、白い花が細い花軸にぶら下がって散りばめられた満天の星のように咲く姿が、何とも愛らしいです。両花ともよく咲いています。
 椿は終盤。シャガや山吹は盛り。でも、山吹は今年はちょっと不調。わずか1ヶ月で境内の景色は一変しました。春ってすごいですねぇ〜


          清楚な白山吹の花 / プチれんげ畑       マウスを載せると写真が変わります
 自坊の前では白山吹がよく咲いています。「山吹」とは呼びますが、黄色い山吹とは別属。清楚で可憐な印象の花です。
 先日、庭掃除をしていたら、甘〜い香りが漂ってきました。「あっ、咲いた!」と思わず見に行くと、咲いていました唐種招魂からたねおがたま。花はあまり目立たないのですが、気まぐれに香り立つことピカイチ。ずいぶん離れたところからでもその存在が香りでわかるほどです。見頃はこれから。
 また、自坊の前の原っぱではレンゲ草が満開です。昨年に種を蒔いたのが、冬を越して開花したのです。
 レンゲが育つと同時にその他の草もすくすく育っていますが、せっかくのレンゲを刈ってしまうはもったいないので、掃除はおあずけです。
 通りがかりの人が、「あっ、レンゲだ!」と喜んでおられました。レンゲの花の群生の上で寝てしまいたい衝動にも駆られます。何気ない花ですが、郷愁を誘う花かも知れません。
 境内は、当分の間、新緑といろいろな花に包まれています。どうぞお越しください。新緑、いいですよ!




     急   ぐ   用   あ   る   か   と   問   は   れ   春   の   暮          奥坂まや