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             しとしと雨の本堂前 / 正面参道は新緑へ   マウスを載せれば写真が変わります

 天気予報通り、午後から雨になりました。雨といっても、しとしと降り。降ってはあがってを繰り返したので、雨の匂いや地面が乾いていく匂いがずいぶんしていました。
 桜の花も満開を過ぎました。「花散らし」の雨というよりは、半ば散りつつあった桜花にやさしい雨が降り注ぐという印象の雨です。
 ここ1週間ほど雨が降ってなく、地面も乾いていました。「万物生」という春の雨をあらわす言葉がありますが、今は植物たちが雨を欲しがる時期。生きとし生けるものに生命力与える有り難い雨です。
 こんな雨の日でも、境内を訪れる人は普段よりは多目です。名残の桜を求めての旅でしょうか? 今日は洛陽六阿弥陀の巡拝日でもありました。
 京都へ来る観光客も震災以後大幅に減り、特に外国人が激減しています。桜の時期もそろそろ終わり、ますます観光客が減りますが、例年よりも静かな京都を堪能していただくチャンスです。
 テレビを見ていても心が痛くなるような景色ばかり。どうか、心の休養にお越しください。


          蘂が目立つ桜の梢 / 目がおかしくなりそう…   マウスを載せれば写真が変わります
 染井吉野も、もう半分以上が散りました。9・10日頃が、花、人出ともにピークでした。今年はお天気もまずまずで、いいお花見が出来たのではないでしょうか。
 ボクは境内を歩くだけで充分で、わざわざお花見には行きませんでした。咲き初めの頃のワクワクした気分、満開の晴れやかな境内、そしてここ数日は桜吹雪の中に身を置く‘快感’を味わいました。また、京都市内などを移動するたびに、彼方此方で車窓から花を堪能させてもらいました。
 贅沢ですが、もう桜はいいかなぁ・・・ちょっと飽きてしまいました。
 境内の桜は、もうしばらくすると八重が咲き始めます。ピンクの八重桜などは、息苦しく思えるような圧倒的な咲き方です。
 これでもか、これでもかと花が咲く、春の‘波状攻撃’をお楽しみに!




    登   り   来   て   残   花   の   雨   に   見   え   け   り        吉田鴻司





               ややこしい色どすえ〜      マウスを載せると写真が変わります
 一昨日頃までは桜の花色に覆われていた境内も、今日はもみじの新芽色と相半ばするようになりました。いよいよ新緑の季節の到来です。
 もみじのやわらかい緑色の葉が日に日に大きくなっていくとともに、赤い蕾が開いて花が咲き始めます。
 もみじの新緑の緑、花と蕾の赤、それに桜の花の色に蘂の赤い色が交じって、今の境内は複雑な色合いをしています。
 ボクが「春だなぁ」としみじみ思うのは、この複雑な色合いを見た時です。万物が着実それぞれのペースで動き始めているのがはっきりとわかります。
 今日、紫陽花の花芽を見つけてビックリ! ホームセンターは紫陽花だらけですが、露地でもとは・・・。もうすぐ土用の入り。あっという間に夏になってしまいます。


         もみじの若葉と花、後ろは桜 / 朝の光の中で   マウスを載せると写真が変わります
 今、境内に咲く花。桜、山吹、馬酔木、椿・・・。写真はありませんが、オススメは椿です。
 境内にはいろいろな種類の椿があり、花期も少しずつずれているので、彼方此方で違う花を楽しんでいただけます。
 園芸種の椿もいいですが、藪椿がシンプルで好きです。
 子供の頃は、よく赤い藪椿の花の蜜を吸って遊びました。ずいぶん甘かった記憶がありますが、いま吸ってみてもそうは思わないでしょうね。そんな楽しみがたくさんありました。木登り、ターザンごっこ、木の上の‘住み家’造り、忍者ごっこなど、日が暮れるまで自然の中で遊び回りました。いまだに木登りをしていますが・・・。
 これから当分の間、新緑が楽しめます。爽やかな季節の到来。ボクは桜の頃よりも好きです。




      野  遊  び  の   ひ  と  り  ひ  と  り  に  母  の  こ  ゑ          橋本榮治