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                  春爛漫、桜満開       マウスを載せれば写真が変わります

 あたたかくて快晴。お花見にはピッタリの佳き日となりました。
 この陽気に誘われて、また昨日、関西ローカルのテレビで隠れた桜スポットと紹介されたらしく、境内には桜シーズンの休日並みの人がお越しになりました。
 京都の気象台は、今日、染井吉野が満開となったと発表しました。多くの人は、「今年は桜が遅い」と思っておられますが、平年並み。去年よりは6日遅いそうです。
 境内の染井吉野も、気象台よりは少し遅いものの、明日か明後日には満開となります。
 桜の名所のように、押すな押すなの人混みもなく、それぞれがそれぞれのスタイルでお花見ができる春爛漫の境内。ボクも桜を満喫させてもらいました。


             総門と早咲きの桜 / 観音石像と桜     マウスを載せれば写真が変わります
 日中の光で見る桜もいいですが、情趣からいえば、朝か夕。さらに優劣を付けるなら、断然夕方の桜が美しいでしょうか。
 朝は光が青っぽく、フレッシュな印象の桜が見られます。夕方の光に赤く染まる桜の花びらには、何とも言えない情趣があります。真上ではなく、斜めから差す光には魔術があります。
 日本人は本当に桜が好きです。境内に来る方を見ていると、桜と聞くだけで浮き足立ってしまっておられるようにも思えます。
 万葉の時代から、いったいどれほどの歌や句、詩に、桜は詠まれているでしょう。それほど心を投影しやすい花なのかも知れません。
 桜の写真を撮っているだけでは、いささか物足りない気がします。気持ちや心を文字に置き換えられれば、どれほど素晴らしいことでしょう・・・いかんせん、才能がありません。



    のんびりお花見 / 暗いから動かないで!  マウスを載せると写真が変わります
 昨日から御所の一般公開も始まり、例年ならば春の観光シーズンで、各名所はたくさんの人で溢れかえるところですが、今年は東日本大震災の影響で、どこも‘静か’だそうです。
 円山公園や嵐山は自粛ムードから団体のキャンセルなどが相次ぎ、人出は3〜4割減。清水寺のライトアップも参拝客は半減。外国人の姿をほとんど見なくなりました。知恩院や本願寺の遠忌が延期された影響も大きいようです。
 「テレビを見ていると気の毒で、花を楽しむ気分にはなれない」という方も大勢いらっしゃいます。無理もありません。
 桜の花を見て元気を蓄えて、それを被災地に送るようなつもりで、みんなで日本の再建を果たしていこう! そんな考え方でお花見をしていただくのもいいのではないでしょうか。犠牲になられた方の供養の桜としても・・・。




      世   の   中   は   三   日   見   ぬ   間   に   桜   か   な          大島蓼太





            ややこしい色になってきたぞ! / 萌芽と桜   マウスを載せると写真が変わります
 5日は暦の上では「清明」。春先の清らかで生き生きとした様子を表した「清浄明潔」という文句を略したものです。
 「清浄明潔」、本当に今の季節をよく表している気がします。
 境内は桜だけではありません。他の花もたくさん咲いています。そして、いよいよもみじの新芽が動き始めてきました。
 今まではモノトーンの線画のようだった木々の枝に、色と膨らみが戻って来つつあります。さぁ、桜が終わったら、一気に新緑の季節がやってきます。何ヶ月も止まっていた景色が、ある時期を過ぎると、刻々と目まぐるしく変わっていきます。
 明日は雨。この雨では、まだ桜は散りません。ここ数日、雨が降っていないので、境内はかなり乾燥しています。花も雨が欲しいでしょう。
 どうかたっぷり降って、休日はパッと晴れ、桜花の有終の美を見せて、みんなを元気にしておくれ!




   ひ さ か た の  光 の ど け き 春 の 日 に  し ず 心 な く 花 の 散 る ら む    紀 友則