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            屋根にはうっすら春の雪 / 気分は春 ♪     マウスを載せれば写真が変わります

 昨夜から断続的に雪が降ったのか、朝起きてみると、屋根の上や木の葉などに1センチほどの雪が積もっていました。
 この3日間は冬に逆戻りしたような寒さ。最高気温が一気に10度ほど下がったのは堪えます。
 「被災地のことを考えたら、これぐらいのこと・・・」と、遠方にお住まいの方々のお墓を回って、墓石に積もった雪を除けながら経木塔婆を供えました。今日は彼岸の入りです。
 「暑さ寒さも彼岸まで」と季節の移ろう様をいいますが、関西では「お水取りが終わるまでは…」とか「比良の八荒、荒れじまい」ということも言います。
 「比良の八荒」とは比叡山の僧侶が比良山中で行っていた法華八講という法要で、この法要が行われる頃には寒気がぶり返し、突風が吹いて琵琶湖が大荒れになることが多いと言われます。この法要が終わると、湖国にも本格的な春が訪れます。「お水取り」は、東大寺で行われる修二会のことです。
 比良八講の船上祈願祭は3月26日、修二会は3月1日から15日の未明まで続きます。
 今は、修二会が終わり、彼岸が始まって、比良八講まではまだ日があるという本格的な春の訪れの‘途上’。雪が降るのもご愛敬です。


          花の木の花 / 大きくなれ、玄海つつじ     マウスを載せれば写真が変わります
 境内は、もうすっかり‘春シフト’。日に日に咲く花の種類が増えていくような気がします。鴬も、朝のうちはよく啼いています。
 もみじの枝は赤みを増し、桜の蕾もかなり膨らんで来ました。でも、去年と比べると、何もかもが1週間ほど遅れています。
 寒いながら時おり陽も差した今日、境内を歩いていて、「花の木」の紅い花色に気が付きました。葉が出る前の真紅色の花が美しいところからその名がありますが、まだ出始めでもとても綺麗! 一気に「春」を感じました。
 去年はいろいろな木々の苗を求めて境内に植えましたが、昨日は池の端に植えた玄海つつじが咲いているのに気が付きました。三ツ葉つつじのような色と形の、京都では珍しい種類です。
 鉢で育てていた赤花三椏が花を咲かせてきたので、先日慌てて地に降ろしました。まだ小さな木ですが、早く大きくなってくれないかと待ち遠しいです。


          黄色くけむる山茱萸の花 / 日向に水仙薫る     マウスを載せると写真が変わります
 今日、某鉄道会社のホームページ担当の方が、桜の開花情報をスタートさせるということで来られました。
 「今は何が見頃ですか?」と聞かれたので、「山茱萸と馬酔木ですね」と迷わずお答えしました。
 咲いている花の名前を、考え込まずに答えられる季節がやってきたことを、改めて思いました。
 水仙は絶好調! 椿もいい感じになってきました。白梅、紅梅、寒椿・・・。あと1週間すれば、もっと増えているに違いありません。枝垂れ桜の開花もお伝えできるかも知れません。
 でも、こちらは寒くてもまだまだ大丈夫。どこよりも真っ先に、あたたかい陽の光が、春が、被災地に届くことを願ってやみません。不安な毎日を過ごしておられる方々のお気持ちが、少しでも安らぎますように・・・。





     枯   色   に   山   茱   萸   の   黄   の   新   し   や          高木晴子