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                雪の日の朝日は塔の天辺に        マウスを載せれば写真が変わります

 朝起きると、窓の外は雪。屋根や木の枝などに柔らかそうな雪が2センチほど積もっていました。
 外は冷え込んでいましたが、寒暖を繰り返しながらも春へ向かう途中の雪だと考えると、「それもまたよし」と思えてきて楽しくなってきます。
 時おり雪がちらつく中、カメラを持って外に出ましたが、ようやく太陽が本堂の屋根を越えてきたばかりで、まだ光は境内全域を照らしていませんでした。でも、青空も出てきて、光の当たっている雪はキラキラ! これからが見せ場!という時でしたが出かけなければならず、「はい、そこまでぇ〜」 残念でした。
 あっという間に雪は溶けてしまいましたが、時々唸るように風が吹いたり、雪が舞ったりの1日でした。


       本堂脇から光さす / 野仏の綿帽子      マウスを載せれば写真が変わります
 今日のように寒い日でも、本堂の前には絶えず靴が脱いでありました。2、3足、多くても5、6足と、決して多くはありませんが、紅葉期以外では見られない光景です。
 ほとんどは、修復なった大涅槃図を見に来られる方です。また、「そうだ 京都、行こう。」や「京の冬の旅」などで隣寺に来られた方のお流れも多少あるかも知れません。
 多いと言っても、拝観者は1日30〜40名ほど。境内は静かです。
 今なら涅槃図を独り占めできる可能性も大。きれいになった涅槃図は、いくら見ても飽きないほど、それぞれの人、生物の様子が生き生きと描かれています。





     春   雪   を   の   せ   て   一   枝   の   朱   ば   し   れ   り          赤城さかえ





       演出上手です / そんなところに乗っからないで!    マウスを載せると写真が変わります
 今日の雪は積もったと言っても1〜2センチ。地面はあたたかさが残っているのか、ほとんど積もってはいませんでした。
 雪の時の花は、また普段と違った美しい姿を見せてくれます。
 梅の木に積もった雪。紅梅はその紅さを雪によって引き立たせてもらっていますが、白梅は雪と花の区別が付かず、スッポリと雪に包まれているかのようでした。
 水仙は雪の重みで頭を垂れていました。もっと積もっていたら倒れてしまうところでしたが、今日の雪程度なら大丈夫。午後から見に行くと、元気に咲いていました。
 茶所前に植えたビオラも、雪でますます発色がよくなったかのようです。綺麗ですよ。先日来植えている椿の花も、柔らかい雪の綿帽子を被って、花色が一層際立って見えていました。
 いろいろなものをきれいに見せてくれる春の雪でした。


    もういくつ寝ると…山茱萸の花 / 大きな本堂に馬酔木の大樹  マウスを載せると写真が変わります
 本堂の裏の山茱萸の花が、黄色く膨らんできました。もうすぐ開花し、例年ですとお彼岸の頃に見頃になります。春の訪れを知らせてくれ、桜へと橋渡しをしてくれる花です。
 馬酔木もよく咲いて来ました。
 でも、境内の馬酔木の木は大きく、それに比べるとその花はいかにも小さく可憐です。ですから、ほとんどの人はその前を通っても、花が咲いていることに気付くこともなく、立ち去って行かれます。もったいない・・・。
 6日は啓蟄です。今日の寒さで、出てくる準備をしていた虫たちも、首を引っ込めてしまったかも知れません。
 まだ控えめではありますが、日に日に春の訪れの予兆を発見するこの頃の境内です。ぜひ、お越しください。




       啓  蟄  や   こ  の  世  の  も  の  の   み  な  眩  し          桂 信子