1/28版
写真では日が差してあたたかそうに見えますが、朝のうちは時おり雪が舞い、昼からも寒〜い日でした。
1年を通じて、毎日毎日、景色の変化に富むような季節もあれば、今のように静かに微動だにしないように思える季節もあります。 新緑が終わり、緑が濃くなった頃も、移ろいが緩慢になります。芽吹きから新緑と一気にエネルギーを使った後の、木々たちの休息の時のようです。 今は寒さに耐えながら、春に向かってじっくりと力を蓄えている時。そう思うと、力強い沈黙に思えてきます。 日差しがあると、木々の姿がいっそう輝いて綺麗に見えます。 もみじの枝の赤さが、肉眼よりも写真のほうが際立って見えて、「もうこんなに赤くなっているの!」と驚きます。カメラの癖や彩度の設定にもよりますが、‘無い色’は写りません。 もみじは、もうすっかり発芽の準備が終わり、まだまだ来ない春をじっと気長に待っているのでしょうね。 塔 に ひ と か た ま り の 冬 日 か な 矢島 恵
影を楽しめるのは、お天気のいい日の‘副産物’。新緑や紅葉がなくても、楽しみ方はいろいろあるものです。 また、空気の澄んでいる冬は、「涅槃の庭」の借景の東山がクッキリ見えることが多くなります。 そうそう、少し前まで東山の山肌に紅いものが点在していました。紅葉ではありません。タマミズキの真っ赤な実です。 今日、檀家の方とその話をしていたのを思い出して、東山を眺めてみましたが、紅く見えていたものがほとんどなくなっていました。 きっと鳥が食べたのに違いありません。境内の千両や南天の実なども、もうほとんどなくなってしまいましたから。
拝観している庭の杉苔などではないので、それほどの実害はありませんが、「モグラの仕業だねぇ」と話している人もおられました。犯人は鳥です。 でも、写真のように苔を剥がしたのは、鳥ではなさそうです。3本爪の跡があります。アライグマ? 猫でもなさそう・・・。飼い犬でしょう。犬が足で苔を盛んにめくっていても、制止もしない飼い主がおられますから。 野鳥も、いまや鳥インフルエンザの媒介役と決めつけられて大変。せいぜい、苔の下の虫を捕って食べてください。こちらも助かります。 さぁ、1年のうちで最も寒い週がやってきます。皆さん、お体を大切に。雪で滑って転ばれませんように。 冬 の 鳥 光 の 粒 と な つ て 去 る 仙田洋子
|