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              雪チラチラ、後、冬晴れの境内       マウスを載せれば写真が変わります

 写真では日が差してあたたかそうに見えますが、朝のうちは時おり雪が舞い、昼からも寒〜い日でした。
 今朝は氷が張っていませんでした。最高気温は6.1度。でも、体感的にはもっと低く感じました。
 この週末から週明けまでが寒さのピークだとか。雪景色の境内は綺麗ですが、日常生活に支障を来す雪は、もうこれ以上はご遠慮申し上げたいです。
 午前中は訪れる人もほとんどありませんでしたが、午後からはたまに拝観に来られる方もおられ、夕方近くには団体がお越しになりました。
 ずいぶん年輩の方ばかりの団体でしたが、10分しか時間がないとのことで、木枯らしの吹くが如くに拝観していかれました。バスを降りてからここまで上がってくるだけでも大変でしたでしょうに、お気の毒・・・。


           精細な木々の枝が見られる冬     マウスを載せれば写真が変わります
 1週間経っても、境内の景色にほとんど変化はありません。
 1年を通じて、毎日毎日、景色の変化に富むような季節もあれば、今のように静かに微動だにしないように思える季節もあります。
 新緑が終わり、緑が濃くなった頃も、移ろいが緩慢になります。芽吹きから新緑と一気にエネルギーを使った後の、木々たちの休息の時のようです。
 今は寒さに耐えながら、春に向かってじっくりと力を蓄えている時。そう思うと、力強い沈黙に思えてきます。
 日差しがあると、木々の姿がいっそう輝いて綺麗に見えます。
 もみじの枝の赤さが、肉眼よりも写真のほうが際立って見えて、「もうこんなに赤くなっているの!」と驚きます。カメラの癖や彩度の設定にもよりますが、‘無い色’は写りません。
 もみじは、もうすっかり発芽の準備が終わり、まだまだ来ない春をじっと気長に待っているのでしょうね。




       塔   に   ひ   と   か   た   ま   り   の   冬   日   か   な        矢島 恵





          涅槃の庭に影長く / 砂紋の影も移ろう   マウスを載せると写真が変わります
 日差しのある日は、庭の砂紋がいっそう際立って見えます。太陽の動きにつれて、庭石や木々、砂紋などの影が動いていくのも、とても趣のあるものです。
 影を楽しめるのは、お天気のいい日の‘副産物’。新緑や紅葉がなくても、楽しみ方はいろいろあるものです。
 また、空気の澄んでいる冬は、「涅槃の庭」の借景の東山がクッキリ見えることが多くなります。
 そうそう、少し前まで東山の山肌に紅いものが点在していました。紅葉ではありません。タマミズキの真っ赤な実です。
 今日、檀家の方とその話をしていたのを思い出して、東山を眺めてみましたが、紅く見えていたものがほとんどなくなっていました。
 きっと鳥が食べたのに違いありません。境内の千両や南天の実なども、もうほとんどなくなってしまいましたから。


      犯人は鳥か犬猫か / わたしじゃないよ、寝てるだけ   マウスを載せると写真が変わります
 鳥といえば、冬になると、境内のあちらこちらで苔がめくられている光景が目につきます。鳥が虫などを探すために、苔を突いて剥いでいるのです。
 拝観している庭の杉苔などではないので、それほどの実害はありませんが、「モグラの仕業だねぇ」と話している人もおられました。犯人は鳥です。
 でも、写真のように苔を剥がしたのは、鳥ではなさそうです。3本爪の跡があります。アライグマ? 猫でもなさそう・・・。飼い犬でしょう。犬が足で苔を盛んにめくっていても、制止もしない飼い主がおられますから。
 野鳥も、いまや鳥インフルエンザの媒介役と決めつけられて大変。せいぜい、苔の下の虫を捕って食べてください。こちらも助かります。
 さぁ、1年のうちで最も寒い週がやってきます。皆さん、お体を大切に。雪で滑って転ばれませんように。




     冬   の   鳥    光   の   粒   と   な   つ   て   去   る         仙田洋子