12/25版
自坊の蓮の鉢には氷が張り、1日中溶けませんでした。午後からは雪が舞ったとか。 会う人会う人、「寒いですねぇ」「冷えますねぇ」と肩をすくめてご挨拶。時おり差す日差しが、とても有り難く感じられました。 そんな寒い境内ですが、時たま貸し切りタクシーで来られた方が運転手さんと一緒に散策されていたり、人影がないわけではありませんでした。今日は土曜日なのですね。 市内の道路も結構混んでいました。クリスマスや年末の買い物に行く人たちでしょうか? 天神さん(北野天満宮)では、一年を締めくくる縁日「終い天神」が開かれているとあって、周りの道路は大混雑していました。
ようやく昨日、近くの総合支援学校に落ち葉の‘初荷’を出荷。今日も出荷しました。これからお正月を挟んで、しばらくの間、運搬作業が続きます。 落ち葉はフレコンバックというポリエチレン製の丈夫な化学繊維で編まれた袋に入れるのですが、今年はその袋が足りないというのでネットで取り寄せたところ、ボクが寸法を間違ったために大きなものが来てしまい、「大きすぎて、いっぱい詰めたら持てない」と職員さんたちは大ブーイング。スミマセン。 落ち葉を寄せ集めたものの、袋詰め作業は大半がまだこれから。大晦日までにはかなり進むでしょうが、境内の某所にはフレコンが山のように積まれたまま、年を越すことになるでしょう。 人の少ない境内で黙々と落ち葉の回収作業をするのは、「無」に近づけるような気がして、とても爽快です。 お寺では、「一に掃除(作務) 二に勤行 三に学問」などというようなことをいいます。頭でっかちにならずに、作務から学ぶことを大事にしなさいということでしょうが、ボクはそれを金科玉条として作務最優先にしています。 余 命 も て こ ろ が る 落 葉 追 う 落 葉 櫛見充男
新緑や紅葉も美しいですが、ボクはこの時期に木をウオッチングするのが大好きです。木の素性や本性がよくわかるのと、造形的にもとても魅力的に感じられるからです。 塔の前に写っているのは百日紅です。クネクネとした枝振りで、枝先には1センチほどの乾いた実がたくさん付いています。これからこの実の中から細かい種がいっぱい落ちてきて、掃除に手こずります。 左右のスッと真っ直ぐ伸びているのはカエデです。こんなふうに、それぞれがその木特有の枝振りを見せてくれるのです。この枝に、雪などが積もったら、また格別です! 夕陽越しのシルエットなど、美し過ぎて言葉を失います。 ‘裏写真’は山茱萸の実です。枝振りはさほど面白くはありませんが、細い枝にキラキラ輝く紅い実が付いているのが何よりも魅力。お天気の日がオススメです。 こんなに‘見どころ’にあふれている冬の境内なのに、どうして皆さんお越しにならないのでしょう?
隣寺が「そうだ 京都、行こう。」のキャンペーン対象となった影響で、今年の紅葉シーズンの人出は昨年比1.7倍でした。 たくさんの方に来ていただくのはうれしいのですが、ただの‘物見遊山’の方々の中にはマナーのよくない人が多いのには、本当に困ります。 冬景色、雪、萌え〜、新緑、万緑、ヘブン、藤袴、紅葉などと、季節それぞれに境内を楽しんでいただけるように少しずつ整備も進めてきましたが、今年ももう間もなく終わり。紅葉の人出で疲れてしまった境内を、早く、少しでも長く休ませてあげたいと思っています。 本当に京都を、真如堂を愛してくださる皆さん、来年もぜひお訪ねください。来年は、境内にどんな‘仕掛け’をしようかと楽しみにしています。お楽しみに! 今年もこのコーナーに来てくださった皆さん、ありがとうございました。だんだん時間の余裕がなくなって、ゆっくりと写真を撮ることもままならなくなり、少々手抜きぎみの更新になったこともありました。 来る年が皆さんにとって幸多き年となりますようお祈り申し上げ、今年最後の更新とさせていただきます。今年もありがとうございました。 人 恋 ふ る 捨 猫 の ゐ て 冬 木 立 坂本登美子
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