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                朝の光の中で          マウスを載せれば写真が変わります
 数日前から、早朝の境内を落ち葉掃除して回るのが日課となりました。境内全体の紅葉の見頃はまだこれからですが、木によってはもうほとんどの葉を散らしているものもあって、たくさんの方が来られる前に境内を掃除しています。
 今朝は、掃除しながらも、「わぁー、きれいだなぁ〜」と時々紅葉の美しさに見とれるほど。ここ数日の中でも、ピカイチの紅葉が見られました。
 せっかくの紅葉をそのままにしておくのは勿体ないので、途中でカメラを取りに戻って、掃除の邪魔にならないように服の中に忍ばせ、きれいな景色がある度に取りだしてシャッターを押しました。一眼レフはかなり邪魔でしたが・・・。
 朝から快晴。その上、今朝は空気が澄んでいたような気がします。本堂前の紅葉もそろそろピーク。好条件が重なりました。


           こちらも、朝の光の中で         マウスを載せれば写真が変わります
 紅葉を見ながら掃除が出来るなんて、素晴らしい‘ご褒美’を自然は用意してくれたものです。
 本堂の前はそろそろ見頃、南側はそれよりも遅れ、裏側に回るとまだ多くは緑色。北側はまもなく見頃。正面参道は5分程度で、いろいろな色が混ざっていました。塔の南側では、今日から銀杏の葉が散り始めました。見上げると、まだすっかり黄色くなりきっているわけではありませんでした。
 朝だったら何をしてもいいだろうというようなマナーの悪いアマチュアカメラマンや観光車両境内進入禁止を破って無理矢理車を駐めようとする老人の車を制止するなど、かなり興ざめの出来事もありましたが、たっぷりと落ち葉掃除が出来て、その上赤・黄・緑がない交ぜになった素晴らしい紅葉が見られるなんて、なんて素晴らしい朝だったでしょう。


  人だらけの本堂前/写真を撮ろうと木の下に群がる人     マウスを載せると写真が変わります
 今朝の朝一番のツアーは8時半。大急ぎで帰って僧衣に着替え、説明をさせていただきました。
 その後は、ひっきりなしに団体が来られ、その都度、説明。
 本堂の外を見ると、いつの間にか人だらけになっていました。
 今年は、お隣の黒谷(金戒光明寺)が、JR東海の「そうだ 京都、行こう。」のキャンペーン対象になっているため、黒谷を経由して来られる団体が多く、人の流れが例年とは違います。
 また、中国人ツアーが増えたこともこれまでとの大きな違いです。マナーが悪い人も多く、注意してもなかなか通じないことも頭痛の種です。
 集合時間になっても現れない人がいたり、落とし物が届けられたり、「いま、紅葉はどうですか?」「どうやって行けばいいですか?」などという電話がひっきりなしにかかってきて、普段の真如堂とは違って騒然としています。
 それでも、「三脚禁止」が定着してきて、‘場所取り合戦’がなくなったのには安心。昨日のテレビでも、団塊の世代以上の人のカメラマナーの悪さが伝えられていましたし、拝観寺院の人と会えば必ずといっていいほど、どうやってマナーの悪いカメラマンを規制するかという話題になります。女性とて、決して例外ではありません。むしろ悪いかも知れません。
 紅葉がきれいで、たくさんの人が楽しんでくださるのはうれしいのですが、‘何をされるかわからない’ストレスの季節でもあります。




     か  た  つ  む  り  紅  葉  の  中  に  老  い  に  け  り          大串 章





       日の傾いてきた頃のもみじ / かえでの夕紅葉  マウスを載せると写真が変わります
 いつみても、夕方近い頃の紅葉はきれいですねぇ。赤みを帯びた日の光に照らされて、何とも言えない色を見せてくれます。
 本堂で説明をしつつ、「いま、あそこに立って見るのが一番きれいですから!」と、本堂の回廊のベストポイントに人を誘導します。せっかくの、いま最高の紅葉を見ないなんて、もったいないですもの。
 夕方の紅葉は1〜2分経てば、もう変わっています。どんどん変化して、夢中になっているうち日が暮れていきます。その、「今しかない」紅葉がまた素晴らしいのですね。
 さて、1週間程度遅れていた紅葉も、一気にその遅れを挽回し、今ではかえって例年よりも少し早いのではないかと思わせるほどです。美しさも、ここ数年のうちでは一番ではないかと思います。急な冷え込みが功を奏したのでしょう。
 見頃は、境内の中で場所を移しながら、12月初旬までまだまだ続きます。錦秋の境内へ、ぜひお越しください。
 お越しくださる時は公共交通機関で。自家用車は駐めることはできません。





     か  ざ  す  手  の  う  ら  透  き  通  る  も  み  ぢ  か  な         大江丸