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           まだら色になってきた参道 / 一足早く桜紅葉   マウスを載せれば写真が変わります
 また、一気に季節が進みました。
 最低気温は一桁。5日の朝は6度まで下がりましたが、昼間はそれほど寒くはなく、今日などは20度を越えて、小春日和。室内にいるよりも、外の日向にいるほうが余程あたたかく感じられました。
 この好天に促されて、たくさんの方が境内を訪れました。観光バスの団体の来訪も始まり、いよいよ紅葉期の観光シーズンが始まったことを実感します。
 でも、今日はまだのんびりムード。観光バスのガイドさんたちが、ベンチでおしゃべりに興じていられる余裕もありました。その光景もあとわずか。1週間もすると、境内の人は2倍、いえ3倍、4倍以上。もちろん、都大路は大渋滞。大変な季節がやってきます。
 静かな境内とも、しばらくお別れです。今日はのんびりできる最終日? あたたかき好日でした。


              境内の大勢は緑がち      マウスを載せれば写真が変わります
 この冷え込みで紅葉は急加速してきました。特に、桜の紅葉が進み、今が見頃です。
 銀杏はまだ黄色くならず、もみじは葉先のほうから少し色が変わってきた程度。青々していて、紅葉はまだまだです。
 紅葉は、1日の最低気温が8度以下になると始り、5〜6度以下になるとぐっと進むといわれていますが、それに近い条件が日に日に揃いつつあります。
 「今年はいいかも・・・」と、実はボクは期待しています。
 鮮やかに紅葉するには、よく言われるように、昼間はあたたかく、夜は冷え込んで、昼夜の気温差が大きいことがあげられます。他にも、葉が十分な日の光を受けられること、大気中に適度な湿度があって葉が乾燥しないことなどが必要です。お天気続きでも困りますので、適当に雨も降って欲しいものです。
 いずれにしても、もみじが綺麗になってくるのは今月下旬。フライングなさいませんように。




   柿   買   う   て   人   に   持   た   せ   て   よ   く   晴   れ   て        ふけとしこ






鉦を叩いてお勤めをする講の人たち/夜の障子越しの御開帳なった本尊 マウスを載せると写真が変わります
 5日の夜、十日十夜別時念仏会、お十夜の開闢かいびゃく法要がいとなまれ、10日間の法要が始まりました。法要に先立ってご本尊の扉も開けられ、これから15日までは尊いお姿を直接拝むことができます。
 14日までの毎晩は、6時半頃から鉦講の人たちが8丁の音階の違う鉦を叩いて念仏を唱えます。15日には朝から夕方まで鉦が叩かれ、2時には僧衆や稚児などのお練りもあります。
 この法要は、室町幕府の執権職伊勢守平貞国が真如堂に籠もってお参りしたところ大変な御利益を授かったということに始まるもので、後に鎌倉光明寺から全国の浄土宗の寺院にも広がりました。
 鉦を叩いて念仏を唱えることは今も多くの寺院でも行われていますが、8丁もあって、多彩な節回しがあるのは真如堂だけでしょう。何と言っても、お十夜発祥の寺ですから。関東では、太鼓も加わったりして、また少し違った雰囲気になります。
 寒い夜に鉦の音が響き渡ると、「あ〜、今年ももうお十夜だなぁ・・・」と、年末以上に振り返りモードに入ってしまいます。お十夜は、ボクにとっても、最も思い入れのある法要です。


         回向柱に伸びる縁の綱 / 握って託す      マウスを載せると写真が変わります
 5日に御本尊の扉を開けた時、その御手に紐を結びました。その紐は、本堂内では5色の撚り紐で外に向かって伸び、本堂の縁先からは白い綱に替わって、ずっと先の回向柱まで達してます。
 「縁の綱」とも「善の綱」とも呼ばれるこの綱には、「この白い綱の先は、本堂の中の御本尊阿弥陀如来様の右手に結ばれています。この綱に触れることは御本尊の御手に触れるのと同じです。御本尊と縁を結び、功徳をお受けになってください」という札が吊してあります。それを見た人たちは、次々と綱に触れて拝んでおられました。
 綱は15日が終わると片づけてしまいますが、紅葉のピーク時も張ってあると、ただの紅葉見物、物見遊山だけではない雰囲気が醸し出されるでしょうが・・・。何だか、片付けるのが勿体ないです。
 7日は立冬です。空気も、日々、凜と引き締まってくるでしょう。どんどん冷えて、紅葉をきれいにしておくれ! あっ、今夜は新月なのですね。




   生  き  る  の  大  好  き  冬  の  は  じ  め  が  春  に  似  て        池田澄子