10/29版
今日は少しましになりましたが、それでもちょっと肌寒い。勝手ながら、あの酷暑の日が恋しいような・・・。 寒くなったら、「紅葉はどうですか?」「いつごろが見頃ですか?」という電話が急に増えました。そんな一気に紅葉が進むわけじゃなし・・・。 昨年や一昨年の写真と今日の境内の様子を比べてみると、今年の紅葉は例年よりも1週間から10日ほど遅れています。桜は境内全域で黄色くなったり赤くなったりしていますが、もみじは本堂前付近では少し色が変わって来たものの、本堂の裏ではまだ青々としています。 例年のことですが、JR東海の「そうだ 京都、行こう。」のキャンペーンが始まると、特に関東方面の方は浮き足立ってこられるような気がします。 紅葉など、まだまだ。それに、テレビのCMや雑誌の写真などの紅葉は、ほとんどが‘着色’されていて、実物よりもずっと綺麗に見えるように作られています。「テレビのほうが綺麗だった・・・」などと言われても・・・。 重ねて申し上げます。紅葉はまだまだです。
10月から「引声阿弥陀経会」の設えに変わっていた本堂ですが、十夜鉦を叩く‘舞台’を作ったり、本堂前に回向柱を立てて本堂から白い綱を渡したりして、すっかり模様替えされました。 後は5日の開闢法要を待つばかり。15日まで毎夜、十夜の鉦の音が辺り一円に響き渡り、いよいよ初冬の季節がやってきます。 あわせて今日は、5〜6人がかりで『観経曼荼羅』を吊るし、予定よりも3日早く特別公開を始めました。 真如堂の観経曼陀羅は金糸などによる刺繍で、江戸中期の明和4年(1767)、この本堂の大きさにあわせて製作された縦5メートル、幅4.4メートルの大きなものです。 お十夜に曼荼羅。いずれも11月の真如堂を象徴するものです。「もう11月かぁ。早いなぁ・・・」と、しみじみ思いました。 帰 る の は そ こ 晩 秋 の 大 き な 木 坪内稔典
境内のマテバシイも極不作。毎年、朝の散歩の時にはポケットいっぱい拾って帰るのが、今年は多くても10個以下。まるで拾えない日もありました。こんなことは初めてです。 結実はしたもののまったく育たないままで落ちているものがたくさんあります。山々の木の実も推して知るべし。熊もくまっていることでしょう。 一方、 菩提樹は、あれほどたくさんの花を付けながら、今年はもうすでに大半の実が落ちてしまいました。自坊の柿も不作。 今年の酷暑の影響が、境内のあちらこちらに見受けられる気がします。
8月から3ヶ月間にわたって、毎日、何十、何百?という花を見せ続けてくれたヘブンリーブルですが、いよいよ終焉の時期が近づいて来ました。「霜が降りるまで咲き続ける」ということですから、霜降を過ぎた今、もうそろそろ終わりを迎えても当然です。 まだ、10輪以上の花が毎日咲きますので、切るには忍びない気がします。最後の花を、楽しませてもらいましょう。 藤袴も、花に、そしてそこに来るアサギマダラに、ずいぶん楽しませてもらいました。花よりも実を付けた枝が多くなってきて、こちらもそろそろ終わりが近づいてきました。本当にありがとう。 今年植えた酔芙蓉も、数日前から、蕾はあっても咲かなくなりました。来年はもっと株を増やして、多くの方に楽しんでいただこうと思っています。ご期待ください。 菊の季節がやってきました。拝観順路の書院の庭には、貫主作の菊が並べられ、その数も日ごとに増えて来ました。 まだ咲いてはいませんが、昨年、姫路まで行って分けていただいた野路菊の開花ももうすぐです。だんだん蕾が膨らんできています。紅葉とともに、お越しになる方を楽しませてくれるでしょう。 急な冷え込みに、お風邪を召されませんように。 よ ろ こ べ ば し き り に 落 つ る 木 の 実 か な 富安風生 |