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         秋の日の散歩 / 桜葉ちらほら紅葉     マウスを載せれば写真が変わります
 ここしばらく、昼間は暑く、朝晩は涼しい日が続いています。
 季節は少し足踏みをしているように思いますが、朝が明けるのがずいぶん遅くなり、夕方暮れるのがとても早くなったことを実感します。目覚ましをかけずに寝ていると、朝寝坊をしていまいそう。外の作業をしていても、早く暗くなってくるので、ずいぶん損をした感じがします。
 もう10月も半ば。時間の経つのがどんなに早いことか。
 来週20日は土用の入り。土用は各季節の終わりの約18日間のことですから、この土用が終わると立冬を迎えるわけです。ビックリしますね。
 境内の木々の色も、少しずつ、少しずつ、しかし確実に変わってきています。あっという間に、暦はもう晩秋です。


           まだまだ緑なり。さて、どう変わるかな?     マウスを載せれば写真が変わります
 「今年の紅葉はいいかも知れません」とテレビで言っていたと聞きました。また、「東日本、西日本では、例年並みの11月中旬〜12月にかけてが紅葉見頃」とも。
 いろいろな人から、「今年の紅葉はどうですか?」と聞かれることが多くなってきました。さて、どうでしょうねぇ。
 弱っているもみじの木は葉っぱが縮れたりしていますが、あれだけ暑く、雨が少なかったわりには、多くのもみじは元気です。例年以上に葉っぱが綺麗な気がします。このまましっかりと冷えてくれれば、美しい紅葉が見られるように思いますよ。
 京都市内は観光バスなども増え始め、秋の紅葉シーズンの予兆が見えてきました。
 紅葉シーズンを楽しみにされている方も多いでしょうし、それを当てにしている関連業界の人はワクワクされているかも知れません。でも、日常生活に支障が出たりする、「大変な季節がやってくる」と憂慮されている方も少なくありません。
 紅葉シーズンの本格的スタートまで、あと1ヶ月です。




    釣   瓶   落   し   と   い   へ   ど   光   芒   し   づ   か   な   り         水原秋桜子





             引声塔 / 看板と藤袴       マウスを載せると写真が変わります
 14日から3日間、本堂では「引声阿弥陀経会」が勤められています。
 平安時代の比叡山の僧 慈覚大師が、中国の五台山で文殊菩薩から伝授されたという「引声阿弥陀経」。お経に長い節を付けて、極楽の蓮池の波に唱和するかのように唱えます。
 帰りの遣唐使船が大荒れになって、大師は引声の一節を失念されたそうです。その時、船の舳先のほうへ立って念じたら、虚空から3センチほどの小さな如来が降りてこられ、忘れた節をもう一度授けてくださったといいます。大師はその如来を袖に包んで持ち帰り、阿弥陀如来を彫られた時に、それを胎内にお納めになりました。
 引声阿弥陀経は比叡山に伝わり、その後、真如堂などに伝えられました。大師の彫られた阿弥陀如来は、当初、比叡山常行堂の本尊でしたが、やがて京の都に降りて真如堂の御本尊になられました。
 以来、一時は法会が廃れたこともありましたが再興され、今では毎年10月に行われています。
 本堂の正面には「引声塔」がまつられます。塔の屋根の下の部分には、『引声阿弥陀経』の経巻が並べられ、文殊・普賢、日光・月光の仏像がまつられています。
 今では1時間に省略され、唱える経文の文字もごくわずか。短い時間ですが、ゆったりした時間が流れます。
 あまりにゆったりしているので。電話で問い合わせがあると、「ひょっとしたら退屈で眠たくなるかも知れませんよ。どうぞご遠慮なく、ご退席ください」と申し上げています。
 法会の3日間、御本尊の扉は開けられています。


       黒猫とヘブン / ミーコ、延び〜る   マウスを載せれば写真が変わります
 目を、心を楽しませてくれた秋の花が終わろうとしています。
 ヘブンリーブルーも少し元気がなくなり、葉っぱも少しまばらになってきました。酔芙蓉や萩も盛りを過ぎました。藤袴も、株によっては、もう終盤です。
 次に咲くのは、秋明菊、野路菊、石蕗つわぶきなどでしょうか。いずれも、今年植えたもので、‘初見参’です。
 今日、日陰に真っ赤なものが見えたので近づいてみると、八重椿の花でした。まだ秋なのに、ちょっと早過ぎるのじゃないかな?
 20日は十三夜。豆名月、栗名月です。ボクは、十五夜よりも、澄んだ空に見える、少し欠けた十三夜の月のほうが好きです。もうそんな季節なのですねぇ。
 今日は、野良猫のミーコが身体をすり寄せてきました。十数年来の付き合いですが、こんなことは初めてです。「お前も人恋しいのかい?」 猫たちも、思い思いに秋を楽しんでいます。
 体調を崩されている方も多いようです。急な冷え込みにご注意ください。




      屋  根  を  と  ぶ   猫  の  鈴  澄  む   十  三  夜            増田富子