10/8版
朝からの好天も昼過ぎには曇ってきて、夕方には雨がぱらつき始めました。そして、すぐに本降りに。天気予報通りです。 秋の雨というと、夏から秋に季節が変わる頃の長雨を連想しますが、今年はそれもありませんでした。 今日は寒露。草木の葉に露が宿り、紅葉の兆しが現れて来る頃です。 ほんの少し前まで、これでもかというほどの酷暑の日々だったのが信じられません。一気に季節が変わったきたように思います。 境内の木々の色も、枝先のほうから少しずつ変わってきました。この雨で、また季節が進みます。 一 夜 明 け て 忽 ち 秋 の 扇 か な 高浜虚子
今年植えた百日紅が、まだ咲いています。いつ咲き始めたのか忘れてしまいましたが、開花から百日以上は経っているでしょう。 その隣には、昭和51年に京都巨樹名木に指定された百日紅の古木があります。 先日、植木屋さんが、「幹が縦に裂け始めました。つっかい棒もできませんので、上を少し軽くしてやるために、剪定をします」と枝を透かしました。助けるための有効な方法が見つからないそうです。 今春、大きな樟やウバメガシを伐採して、参道からこの百日紅がよく見えるようになった今年は、たくさんの人が塔をバックにした写真を撮ってくださいました。 そう遠くない将来、古い百日紅が新しい百日紅に代替わりする日がやってくるでしょう。古木はすでに花を散らして休み、若木は誇らしげに花を咲かせ続けています。
昨日は5〜6匹がフワフワ飛んだり、花にぶら下がったりして、見ているボクも夢心地でした。しかも、朝から夕方までの長い時間、境内にいました。 今日は2匹。朝、姿を見ましたが、すぐにいなくなってしまいました。雨を予感して、どこかに隠れたのでしょうか。 職員さんも、仕事そっちのけで写真を撮る人、「来年はもっと藤袴を増やしましょう」と簡単に言ってくれる人など、藤袴とアサギマダラのブームになっています。 それほど目立たない花の藤袴ですが、奥ゆかしくて、そこはかとなく匂い立つ香りが、人を魅了するのでしょうか。 もちろん、来年はもっとたくさんの藤袴を栽培して、何十匹ものアサギマダラを招こうと思います。
本堂裏の この実が赤く熟し、マテバシイの実が毎日落ちるようになると、秋も本番です。 マテバシイの実は、毎日、20個ほど拾います。風が吹いた夜などは、「明日はたくさん拾えるぞ」と、朝が来るのが待ち遠しいほどです。 もうしばらくすると、どんぐりもたくさん落ちるようになります。それもまた楽しみ。こんなボクの前世はリスかも知れません。そうそう、ぎんなんも落ち始めました。 萩もまだまだ見頃です。ヘブンリーブルーも、葉が少し黄色くなってきましたが、毎日たくさんの花を咲かせてくれています。 野に目をやると、あかのまんま(犬蓼)の花が咲いていたり、つい先日まで小さな花を咲かせていたと思ったヒヨドリジョウゴに実が付いていたりします。やがてこの実も、美味しそうに色づいてくるでしょう。 酔芙蓉も毎日咲いています。涼しくなってからは、1日目は白〜薄いピンク、2日目にピンク〜濃いピンクと、2日間も楽しませてくれています。木槿の花も百日紅に負けない‘ロングラン’です。 花も実もある、この時期の境内。今年は季節の移ろいが遅れ気味とか。長い間、秋が楽しめるといいですね。 野 の 花 を 野 に あ る や う に 挿 し に け り 杉阪大和 |