10/2版
冬の僧衣を着ていると少し汗ばみましたが、景色はさわやか。実に気持ちのいい1日でした。 気候がよくなって来た途端、境内を訪れる人がずいぶん増えました。 観光に来られた方、家族やカップルで境内を散策する人、ベンチで本を読んだりお弁当を食べたりする人、ジョギングをして駆け抜けていく人、墓参の人・・・。お馴染みの賽銭泥棒もうろついていたりもします。境内を往来する人を見ていると、皆さんがいろいろな目的、楽しみでお越しになっているのがよくわかります。 1日、9月の天候について、全国各地で最高気温35度以上の猛暑日が過去最多になったという発表が気象庁からありました。京都も平年よりも2.3度も気温が高めだったようです。 待ちに待った本格的な秋。残暑の影響で本格的な秋の訪れも遅れているようですが、少しでも秋らしくなったら出かけたくなってしまいます。 今日、お越しになっていた方も、きっとそうなのでしょう。 秋 晴 の 何 処 か に 杖 を 忘 れ け り 松本たかし
酷暑の頃は、「どこへ行ったのですか?」とよく尋ねられた猫たちも、日に日に姿を見せるようになりました。 今夕は、茶所で4匹が集合。まだ往時の数ではありませんが、ようやく猫たちがくつろぐ姿が見られるようになってきました。 植物たちも涼しくなるのを待っていました。 今年は彼岸花も開花が遅れ、ようやく今になって咲いている株もあります。気温が下がらないと咲かない性ゆえに、律儀な彼岸花でさえ咲けなかった、今年の残暑でした。
今日、ようやく、待ちに待った蝶、アサギマダラを見ることができました。すでに先日、目撃したという情報は聞いていたのですが、実際に見るのは初めて。行事の合間だったのでゆっくり見ていられませんでしたが、一瞬の間隙を突いて、カメラを持って走りました! アサギマダラは蜜にアルカロイドを含む植物を好みます。蜜を吸ってアルカロイドを体内に取りこむことで毒化し、敵から身を守っているそうです。幼虫・蛹・成虫どれもが鮮やかな体色をしているのも、毒を持っていることを敵に知らせるためだと言われます。 真如堂には、アルカロイドを含む藤袴の蜜を求めて飛来したのです。 アサギマダラは、春に北上し、秋に南下を繰り返す「渡り」をする蝶。日本本土と台湾や南西諸島の間を移動することがわかってきたそうです。 気温が20〜25度になると、アサギマダラは高原から里に舞い降りてくるのですが、いつまでも暑いと、降りてこられません。ようやく涼しくなってきたので、姿を現してくれたのです。 細かく羽ばたかずにふわふわと楽しそうに滑空するその姿は、本当に素晴らしい! 自分の育てた花を目がけてきてくれるというのも、また格別のうれしさです。 また明日も来ておくれぇ〜!
藤袴、萩、すすき、彼岸花など、秋らしい花が盛りです。もちろん、ヘブンリーブルーも真っ盛り。朝から夕方までたくさんの花で迎えてくれます。酔芙蓉も健在です。 今年植えた玉すだれも、人知れず咲き出しましたが、訪れる人を楽しませてくれるまでには、まだ数年かかりそうです。 本堂の南側では、マテバシイの実が落ち始めました。この実を見ると、わけもなく拾いたくなるボクには、「落ちていないだろうか…早く拾わないと…」と気になって仕方がない季節の到来です。今朝は2つだけ、午後には20個拾いました。 最近の子供はこんな実をあげても喜んではくれません。喜んでくれるのは、子供の頃に団栗などで遊んだ経験のある中年以上。何だかさみしい気がします。 拾った実を頭にこすりつけて頭の脂を付け、手の中で遊んでいると、すぐにピカピカに光り出します。 散歩に行っては、時にはポケットいっぱいの実を拾って持ち帰り、どんどん溜めていきます。シーズンが終わると、相当な量になりますが、しばらくすると虫に穴を空けられて粉を吹いてきてしまいます。そんなことを、もう何十回繰り返しているでしょう・・・。人には理解していただきにくい、自分でも説明が付かない、ボクの秋の楽しみです。 さぁ、皆さんもぜひとも秋を満喫しにおでかけください。こんな季節を逃す手はありませんよ! 団 栗 の 己 が 落 葉 に 埋 れ け り 渡辺水巴 |