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京都も、他の多くのところと同じく、6〜8月の平均気温が統計を取り始めた1898年以降で最も高く、30.1度。少なくとも14日頃までは、最高気温が35度前後の厳しい暑さが続くそうです。 1日に二百十日も過ぎ、暦の上では台風の襲来する季節。でも、太平洋高気圧の勢力が強すぎて、台風も日本列島に近づけず。台風は来ない方がいいのですが、雨が・・・。記録では、先月15日に1ミリ降っただけです。 夕べの夜中、雨が降ったような気がするのです。人にいっても、「知らない」「降って欲しいと思っているからでは?」と言われるだけ。気象台の記録には1ミリの降水もありません。 夜中、雨音がして、「雨だ!」と叫んで耳をそばだてたのですが、それほどの雨ではなさそうで、ちょっとがっかりしてまた眠りに就きました。朝起きて、‘証拠’を探しましたが、それほど顕著なものは見つかりませんでした。夢だったのでしょうか・・・。
もみじの中には、紅葉したように葉を紅くしたり、縮れて枯れさせたりしているものがあります。桜などは大量の葉を落として、‘身を軽く’しようと必死です。 今秋の紅葉がどうかということよりも、枯れないだろうかと心配になる木がたくさんあります。弱っている木には、あまりにも酷な少雨です。 毎日、「雨… 雨… 水… 水…」などとばかり考えています。雨が降ったのは夢だったのかも知れません。
昨日一輪、また今日一輪咲きました。 朝は白かった花が、お昼前には薄いピンクになり、だんだん色が濃くなってきて、夕方には赤紫になります。お酒を飲んだ人の顔がだんだん赤くなるのに似ていることから付けられた名前です。 花のことなど話題にしたことのないような職員さえもが、「だんだんピンクになってきましたねぇ」と話すほど、不思議で面白い、ちょっと妖艶な花です。 ただ、朝から夕方まで境内にいていただかないと、この不思議さや面白さを味わっていただくことはできません。
境内の萩はまだまだ咲いていませんから、昨年に庭を作った時に植木屋さんが植えたこの萩は、宮城野萩だったのでしょう。 拝観コースの中でも、「江戸絞り」というピンクと白が混ざった小ぶりの花の萩が咲いています。 萩が咲くには、まだちょっと暑すぎる気がします。普通の山萩のほうが風情がありますでしょうか・・・。 同じく自坊の庭の中では、玉紫陽花が咲き出しました。蕾がまん丸なところからその名があります。 紫陽花を冠した名前で、分類的にもアジサイ科アジサイ属ですが、普通の紫陽花とは咲く時期はもちろん、花の様子も少し違っています。蕾はずいぶん存在感がありますが、花は結構地味です。 この株は千葉県の笠森寺からいただいたもので、元来は本州北部から中部地方に自生する種類ですから、京都ではまず見られません。ご覧になりたい方は、吉祥院をお訪ねのうえ、「玉紫陽花が見たい」とおっしゃってください。ボクがいればお見せします。 8日は白露。そろそろちょっと冷えてきてもいい頃ですが、どうやら叶わないようです。せめて雨だけでも・・・。 う す う す と 刻 を 染 め ゆ く 酔 芙 蓉 岡田 和子 |