8/14版 




            お盆なのにひっそしりた夕方の境内     マウスを載せれば写真が変わります
 曇りがちで、時々雨がパラッと降ったり、陽がほんのチラッと差したりの、蒸し暑い日でした。
 「雨が降って欲しいなぁ・・・」と願っていたのは数日前までのこと。10日の夕方にはいきなりの夕立。そして、12日の朝早くには、台風の影響でバケツをひっくり返したような雨が降り、新幹線や山陰線は一時運転を見合わせ、床上浸水や国道が通行止めになるなどの被害が出ました。今日になってもお天気はスッキリしません。
 ボクは、お盆の棚経の真っ最中。カッと照りつけるような太陽が隠れて、曇りがちなのは大いに助かりますが、雨に翻弄されるのは、バイクが足のボクには困ったものです。
 今日は写真の撮れる時間に帰ってこられたので、兎にも角にも、取り急ぎ更新させていただきました。
 境内は、お盆の墓参をする人で、少し人影や車が多い程度。静かでした。




    夜   の   川   を    馬   が   歩   け   り    盆   の   靄         大木あまり





               静かに咲くアーリー      マウスを載せれば写真が変わります
 棚経から帰ったのは3時前。昼食抜きで回っていたので、お腹はペコペコ、体はフラフラだったのですが、荷物だけを置いてカメラを持って境内に向かいました。
 何はともあれ、まずは朝顔、そして蓮を撮りたかったのです。
 茶所前の西洋朝顔アーリー・ヘブンリー・ブルーは、今月5日頃に咲き始め、だんだん花数を増やしている様子。
 ところが、咲き始めるのがかなり遅くて、朝の9時過ぎ。4時頃には萎んでしまうので、まだ咲いている姿をちゃんと見ていないのです。
 「3時だったら、まだ咲いているかも知れない!」と大急ぎで茶所前に駆け参じました。
 咲いていましたアーリー・ヘブンリー・ブルー! 萎みかけながら、約30輪が咲いてくれていました! ヘブンリー・ブルーからその改良種のアーリー・ヘブンリー・ブルーに替えて、初めての開花です。
 花の最盛期は10月ですから、これからまだまだ咲いてくれるでしょう。お越しになった方は、お見落としのなきように!


    祠の前にあった蓮が… / 池を渡って誇らしげな蓮    マウスを載せると写真が変わります
 蓮は、当然のことながら萎んでいました。3時では無理もありませんが、今日は咲いた写真が撮れなくてもかまわないのです。
 前回のこのページの最後の写真を見ていただくと、蓮が池の向こう側、弁天さまの祠の近くで咲いているのがおわかりいただけます。ところが、今日の写真では、反対側のこちら岸。さて、どうしたことでしょう?
 13日、事務所から、「蓮を移動させましたか? もとのところにはないのです」と電話がありました。お盆の忙しい最中、池の中に入らないと出来ないような危険な作業を、ボクがするわけがありません。
 「まさか・・・どんぶらこ、どんぶらこと流れて、こちら岸に辿り着いたのでしょう・・・それしかありません」と、情景を思い浮かべながら説明しました。
 12日早朝の雨で池の水かさが急増し、蓮を植えてある火鉢が、どんぶらこ、どんぶらこと、こちら岸にやってきて、池の縁のコンクリートの上に乗ったところで水が引いて、こちらがわに居座ることになったのでしょう。誰もその現場は見ていませんが、それしかありません。
 よくぞ、ひっくり返りもせずにこちら岸にたどり着いて、何もなかったかのように綺麗な花を咲かせているものです。どんぶらこの情景を想像するだけで実に愉快です!
 蓮は明日が満開です。明日、境内にお越しの方はぜひとも強運の蓮をご覧ください。


         夏の渡り廊下 / 精一杯咲く老百日紅     マウスを載せれば写真が変わります
 話は転じますが、いま、京都の山々の彼方此方が茶色くなっています。「ナラ枯れ」です。
 ナラ枯れは、カシノナガキクイムシが、ナラなどブナ科の木に穴を開けてカビ菌を内部に持ち込み、木が水を吸い上げられなくなることによって発生します。
 京都市の東山、北山、西山の「三山」でのナラ枯れは2006年に初確認され、被害は年々広がって、07年に700本、09年には4千本、今年は猛暑の影響もあって2万本近くに上るとみられています。
 大文字山を見ても、あちこちで茶色くなった木々が目立っています。真如堂の境内でも、民家に隣接する場所でナラ枯れが発生し、急いで伐採をする必要に迫られています。ナラ枯れと豪雨で、「山紫水明」ならぬ「山茶水濁」。本当に大変なことになっています。
 さて、その他、今の境内の見どころは、正面参道の百日紅、総門内の木槿むくげなどです。
 今日の更新はこれでオシマイ! 次回は、8/17に特別バージョンの予定です!




     炎   天   の    老   婆   に   無   事   を   祝   福   さ   れ        瀧 春一