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       人影ナシ! / サッサと帰って行った人    マウスを載せれば写真が変わります
 酷暑というより他がない、焦げ付くような暑い日が続いています。
 テレビでも、どこで何度だったということがトップニュース。京都も昨日は37.4度、今日は37.3度。「暑い」というよりは「熱い」という表現がピッタリです。
 今日は暦の上でも「大暑」。いくら大暑でも、昔はこんなには暑くなかったでしょう。
 「熱中症に注意」ということがさかんに言われているせいか、境内を訪れる人はほとんどおられません。閑散とした境内に蝉の鳴き声が響いています。
 今日の拝観者は8人。最近、一桁という日が続いています。職員のほうが多い・・・。
 蝉といえば、暑さに強いのはクマ蝉ですが、いまよく鳴いているのはニイニイ蝉。蝉の出始めに多い種類です。17日に梅雨明けして、一転しての酷暑に、クマ蝉も対応が遅れたのでしょうか?


          最高の日陰 / 風を通し、人を通さず    マウスを載せれば写真が変わります
 このカンカン照りの暑さも、梅雨の間に湿気きってしまった建物内を乾かすのには大助かりです。
 本堂は障子を開け放って、それではちょっと不用心と、竹の結界がしてあります。いかにも夏らしい光景です。
 上敷きがカビだらけになってしまった本堂と書院の間の渡り廊下も、すっかり湿気が失せて、上敷きも乾きました。ただ、カビの跡がなかなか消えません。
 茶室も、トイレも、押し入れも、至る所を開け放って風を通し、湿気の追い出しを計っています。
 25日は「宝物虫払会」。蔵に仕舞ってある掛け軸など約200点を本堂の中に無造作に吊るし、土用の風にさらして、虫を追い払おうという年中行事です。
 去年は途中から大雨になって、帰って湿気を含んでしまった掛け軸などを仕舞えず、3日間ほど本堂内で干しましたが、それでも乾ききらず、9月にもう一度蔵から出して本堂で干し直すという前代未聞の虫払会でした。
 25日頃はお天気が不安定になるという予報ですが、何とか虫払いらしいお天気になって欲しいものです。でも、植物のためには少しは降って欲しいですし・・・。





    念   力   の   ゆ   る   め   ば   死   ぬ   る   大   暑   か   な          村上鬼城





 移植後初めての花、木槿 / 手前の細いのが幼木。後ろの控える老木 マウスを載せると写真が変わります
 境内の真夏の花といえば木槿むくげ
 去年までは10本ほどが総門の外に並んでいましたが、この冬に総門内の駐車場に移植したので、今の場所で咲くのはこれが初めて。移植のために剪定してかなり小さくなりましたが、花付きもまずまずで安堵しています。
 現在の場所ならかなり大きく枝を伸ばさせることが可能なので、来年にはもっと見栄えのする木槿並木になっているでしょう。
 今春、正面参道脇に植えた百日紅も、初めてを花を咲かせました!
 まだヒョロッと高い木で、花もわずかについているだけですが、背後には朽ちかけた百日紅の老木が後見役のようにたたずんで、幼木に何かを教えているようにも見えます。あと数年すれば、幼木は大きく育って、夏の境内を代表する花になるでしょう。それと入れ替わるように老木は枯れていく、そんな新旧交代の始まりでもあります。
 去年から手がけてきた境内の木々の手入れが、季節の移ろいに伴って‘形’を現してくれているのは、実に感慨無量です。訪れた方々が、「わぁー きれい!」と言ってくださる極楽のような境内に向け、まっしぐらです。
 くれぐれも暑さにご注意くださいね。境内にお越しの時は、本堂の大きな屋根の下でしばらくお涼みください。





       天   辺   に   百   日   紅   の   第   一   花          山本 幸代