7/10版 




      この一瞬だけ、人が多かった… / 久々の青空   マウスを載せれば写真が変わります
 梅雨の合間の貴重な晴天の日でした。
 天気予報を見ると、明日から1週間は「曇一時雨」か「曇時々雨」で、ずっと傘マークが付いています。人と交わす挨拶も、「今日だけらしいですねぇ」と、雨の多さを歎いて束の間の晴れ間をいとおしむが如し。
 京都はいま祇園祭。今日からはいよいよ鉾を建てる作業が始まります。
 疫病退散を祈願するのが起源の祇園祭は、疫病が流行りそうな蒸し暑い季節に行われます。祇園祭の山鉾巡行が終わった頃、京都はようやく梅雨明けを迎えます。
 明日からの不安定な天気の予報を前に、境内を訪れる人はちょっと多目? いえ、土曜日なのに、そうでもありません。本堂や庭園の拝観者は20人に満たなかったようです。祇園祭効果は出てくるでしょうか?


        生い茂るもみじ葉    マウスを載せれば写真が変わります
 新緑から日に日に緑を濃くしていったもみじ葉は、梅雨が終わって夏のカンカン照りにさらされると、木によっては黄色っぽく焼けたようになってしまいます。
 そういう意味では、 今が1年中で一番もみじの緑が濃い時期かも知れません。
 雨が降った日は、木の下が薄暗くなるほどによく茂ったもみじ。晴れた今日は、しっかりと濃い緑が印象的でした。でも、もう緑を楽しむというよりは、日の光を遮ってもらって有り難いという感じでしょうか。
 「これだけもみじが多いと、紅葉がきれいでしょうねぇ」と話しながら参道を登ってくる方がおられました。真如堂を紅葉の名所とはご存じないのでしょう。
 梅雨に十分な水分を蓄えたほうが、秋の紅葉も綺麗な気がします。今年は梅雨明けが遅くなりそうだとか。雨もしっかり降っていますから、今年の紅葉は期待できるかも・・・書きながら、何の根拠もないと思ってしまいました。




     梅   雨   晴   の   風   の   ま   つ   は   る   鬼   瓦          鈴木昌江





    延びる、延びる西洋朝顔の蔓 / 気持ちよさそう…     マウスを載せると写真が変わります
 真如堂の夏の見所となりつつある茶所前の西洋朝顔が、すごい勢いで蔓を伸ばしています。1日見なかったら、驚くほど伸びているという感じです。
 今年育てている「アーリー・ヘブンリー・ブル−」は、普通の「ヘブンリー・ブル−」よりも早くから咲き出し、花期の終わりはどちらも同じ頃という‘お得な’種類。たくさん撒いた上に、芯を積んで枝分かれさせているので、蔓が混み合って大変なことになりそうです。
 予定では、今月25日の「宝物虫払い会」の頃には咲き始めている計画ですが、果たしてどうなることやら。ちょっと心配です。
 去年、親株を貰って、今春に挿し芽で増やした苗をあちこちに植えた原種の藤袴。日当たりなどによって生育が大きく違うので、今年1年かけて、境内のどの場所が一番適しているかを調べる予定です。
 植え替えても、少し触っただけでもほのかに香る平安のしらべ? 育てるのも楽しみ。夏の日射しを浴びて、葉の緑も濃くなってきました。
 ヘブンや藤袴には、夏の日射しがよく似合います。


       吉祥院の白い蓮、赤い蓮 / 見納めの紫陽花     マウスを載せれば写真が変わります
 自坊の蓮が咲き出しました。鉢で育てているので、たくさんの花が咲くわけではありませんが、次々と花芽が上がって来ては大きくなり、いつ咲くかと毎日楽しみです。
 4日間かけて咲いて散っていく蓮。あの大きな花に雨は大敵です。でも、どうしてこんなに雨の多い時期を選んで咲くのでしょう? 「何かわけでもあるのかなぁ?」と、いつも思います。
 紫陽花ももうそろそろ終わり。往時と比べるとずいぶん色褪せているのですが、初めて見る人には‘それなりに’綺麗でしょう。特に雨に濡れていたりすると、実際以上に美しさを増します。
 前回のこのページに書きましたが、目下、挿し芽をして紫陽花を増やしています。いずれは、東参道から上がって来たあたりに植える予定で、数年後には梅雨の見所が一つ増えるでしょう。お楽しみに!
 これからは日々、祇園祭ムードが高まっていきます。蒸し暑くて、身動きも取れないほどの人混みの四条界隈に飽きた方は、静かな静かな真如堂にぜひお越しください。





     蓮   の   花   開   か   ん   と   し   て   茎   動   く          滝沢伊代次