7/2版
梅雨でなければ堪忍袋の緒が切れているところですが、「梅雨だから…」と端から覚悟を決めているので、蒸し暑さにも耐えられます。 境内に人影はほとんどありません。ここ数日、本堂や書院を拝観する人は10人程度。「今日は職員のほうが多かったです」という報告を何回か聞きました。どうしましょう・・・。 4月に新調した本堂と書院を繋ぐ渡り廊下の畳ござはカビだらけ。新しい畳ですからカビるのは仕方ありませんが、干したり、拭いたりと、掃除が大変です。雨漏りや樋の詰まりも気になります。雨の日には雨の日の心配が絶えません。 境内のあちこちの腐りかけた木の根元からは、いろいろな種類の茸が生えています。茸の観察にはもってこい。梅雨も楽しみ方次第です。
今日、植木屋さんの作業がひとまず終わり、後は設計してくださった方の最終チェックを受けて手直しを加え、庭の名前を決めて、庭開きをすれば正式スタートです。 設計してくださったのは庭園家の重森千青氏。御祖父は、東福寺方丈庭園や松尾大社曲水の庭などを作られた重森三玲氏です。 以前、この場所は無造作に木が植わっていた‘庭’でした。 背後にあるのは、とある名家の専用仏殿。正面の 「重森さんにお願いしてよかった… 重森さんじゃないと、こんな庭はできない」、今日、植木屋さんの仕事が一段落したこの庭を見て、つくづくそう思いました。 皆さんが次にお越しになった時には、庭の名前も決まって、職員が蘊蓄を込めて説明させていただくでしょう。お楽しみに! 石 語 り 来 る ま で 坐 る 木 下 闇 手島靖一
実は今、新しい‘紫陽花園’を計画中です。 鬱蒼として湿気が多いだけの本堂裏の宝蔵〜万霊堂の後ろ側。きっと、皆さんには何の記憶も印象もないでしょう。結構な広さがあるのですが、ただ落ち葉が積もり、低木などが生えていただけでした。 確かに日当たりは悪いのですが、少し木々を剪定して紫陽花を植えれば、きっと数年後には綺麗な紫陽花が咲いてくれる・・・そう思って、いろいろな紫陽花の枝を貰って挿し芽をしたり、既存の紫陽花を移植したりして、準備を始めました。 「3千株あります」など公称している京都の紫陽花で有名な寺でも、実際の株数はもっと少ないとか。これから作る紫陽花園には500〜1000株程度の和洋の紫陽花を植える予定です。いやぁ〜、きっと壮観です! 10年後をお楽しみに! おぼえていてくださいね!
「原住植物」などという仰々しい看板が立っている木で、「どういう意味ですか?」と時々聞かれますが、「この寺が建った時から生えていた木です」と説明させていただいています。 高さ3メートルほどですが、しゃしゃんぼでこれほど大きくなるのは珍しいらしく、1979年に京都市の巨樹指定を受けています。 小さな壺形の白い花が咲いた後には結実して、晩秋には黒紫色に熟します。食べると甘酸っぱいらしいですが、ボクは食べたことがありません。 「しゃしゃんぼ」は、果実が丸くて小さいという意味の「ササンボ(小小ん坊)」が転訛したものだそうです。 自坊吉祥院では、栴檀葉の菩提樹(モクゲンジ)が満開になっています。 小さくて黄色い花で、その花粕がいっぱい地面に降り、下が少し黄色くなるほど。英名を「Golden rain tree」というのも頷けます。 大きな木にたくさんの黄色い花は見事ですが、残念なことに、この写真の景色は吉祥院の庭の中に入らないと見られません。門の外からは、花が咲いていることさえわからないのです。 こうしてみると、梅雨でもいろいろな花が咲いてくれています。雨の境内、石畳はよく滑りますので、ご注意ください。 長 雨 に 諸 草 伸 び し 半 夏 生 汁 蒼壺 |