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梅雨らしい梅雨で、13日以降で雨が観測されていないのは2日間だけ。雨のお陰で、木々の葉も元気いっぱい! 苔は生き生きとしています。植物にとっては有り難い雨に違いありません。 「雨の降る日は天気が悪い」 端からそう思っていれば、雨の日らしい処し方もあろうものです。濡れた万緑に包まれて、垂れ下がる枝を避けて境内を歩いたり、水の流れを見たりしながら、「雨の日もいいなぁ」としみじみ思った日でした。 境内には雨の日を楽しむがごとく、いつもよりも少し多い人がお越しになっていました。まだ菩提樹効果が続いているのかも知れません。
あれほど、「菩提樹、菩提樹」と言っていた人たちも薄情なもので、花が終わったと見るや、菩提樹に一瞥するだけで、すぐに反対側の沙羅の花に引き寄せられていきます。 花を愛でながら「祇園精舎の鐘の音…」と言ってみたり、超アップで写真を撮ったりして、3分の1近い人は本堂に参拝することもなく、また雨中の人となっていきます。 この季節に境内を訪れる人は、中高年のグループ連れの女性やご夫婦が多いのはなぜでしょう? ご婦人たちは、沙羅の花がたいそうお好きです。
菩提樹や沙羅が咲いたときには「咲きました」という張り紙をするのですが、少しわかりにくい場所に咲いている紫陽花にも関わらず、何の掲示も出していません。 境内をゆ〜っくり回って、紫陽花の花に巡り逢えた人だけに見ていただこうという‘作戦’です。菩提樹! 沙羅!という勢いの延長で見てくださるのには少し抵抗を感じるのです。 もう一つ、紫陽花園は現在成育中で、まだ完成していません。もう少し形が整ったら、掲示を出してお知らせするかも知れません。 今後、本堂裏の萬霊堂の回りにも紫陽花を植えていく予定で、今、それにむけて、挿し芽をして紫陽花を増やしている最中です。日当たりが悪く、今は何も植わっていない場所ですが、10年後頃には景色が一新しているでしょう。 梅雨の真如堂のこれからに乞うご期待! 五 月 雨 や 作 務 僧 だ ま り 賑 や か に 池上不二子
植木屋さんも日程が混んでいるとみえて、「こんな雨の日は工事中止かな?」と思っていると、トラック数台の音がして、仕事にかかられます。ぬかるんで作業がしにくいですが、木に登ったりするのではないので、危険はさほど伴いません。 今日は葛石で区切った幾何学模様の中に、白色やさび色の砂利を敷き詰める作業が行われ、景色が一新して、より完成に近づいてきました。この後、杉苔を張ったりすれば現場作業は一段落。設計してくださった方の最終的な指示を仰いで完成となります。 この庭に何という名前を付けるか、現在、真如堂の貫主に考えていただいています。庭の向こうにある仏殿に付いている「四つ目」の家紋をテーマにした庭ですが、「仏教的な名前を」と設計者の方にはリクエストをいただいています。さぁ、何という庭になりますか、これも近々定まってくるでしょう。 梅雨も見所いっぱいの境内。ぜひ雨の日にお越しください。 植 木 屋 の 鎌 と ぐ 長 さ 木 下 闇 阿部みどり女 |