6/4版 




        もみじ濃く、空は夏 / 緑陰に小休止     マウスを載せれば写真が変わります
 梅雨入り前の晴れ間でしょうか、不安定なお天気の続いた5月が終わった途端、ここ3日ほどは真夏のようなお天気が続き、昨日には夕立と雷もありました。今日も入道雲が湧いてきそうな空でした。
 本堂の中にいる職員さんが、外のトイレに行く時に、「今日はさわやかでいいですねぇ」と、土木作業をしていたボクに話し掛けてきました。ボクは汗だく。さわやかどころではありませんが、湿気が少ない今日は、ただでさえ涼しい本堂の中はさぞかし快適だったのでしょう。
 近畿地方の梅雨入りは、平年では6月6日。去年は3日に梅雨入り。来週からはお天気がぐずつき気味になるようですから、いよいよ梅雨の到来かも知れません。
 境内の緑はまたわずかに色を濃くして、もうそろそろ「薫風」という言葉も季節はずれ。6日は芒種。かつては、稲や麦などの種蒔きをする頃でした。「蟷螂や蛍が現れ始め、梅の実が黄ばみ始める季節」の到来です。


        菩提樹に集まる人 / やや蕾固し、菩提樹の花   マウスを載せれば写真が変わります
 「今日は本堂の前にいる人が普段よりも多いなぁ…どうしてかなぁ…」と思いつつ寺務所に行くと、無料で配布されるタウン紙が机の上に置いてありました。そういえば、先日、そのタウン紙の取材を受け、菩提樹の写真を提供しつつ蘊蓄を述べさせていただいたのでした。
 記事には「見頃は6月10日前後」と書いてありますが、今年は天候の関係か開花が少し遅れ気味で、まだ1輪の花も咲いていません。
 それでも、問い合わせの電話がかかってきたり、実際に見に来られる方があったりして、そのタウン紙の影響力の大きさに驚きました。また、見たらすぐに行動される方がこんなにもおられるのだとビックリしました。
 菩提樹の開花は、まだ4〜5日先。見頃は1週間ほど先でしょうか?
 菩提樹の反対側にある沙羅も、蕾が膨らんできました。今年は蕾の数が多いようです。乞うご期待!




    花   筒   に   水   さ   せ   ば   蚊   の   鳴   き   出   づ   る          佐々木邦





      本堂横の伝教大師像 / 蕾膨らむ沙羅      マウスを載せると写真が変わります
 今日6月4日は、比叡山を開かれた天台宗の宗祖 伝教大師の御命日。京都の天台宗のお寺は山科の毘沙門堂に集まって、法要を勤めました。
 真如堂の本堂の左横、池の畔には、ブロンズ製の伝教大師像がたたずんでおられます。  この像は真如堂とも所縁の深い西村公朝師が、群馬県のお寺の依頼で作られたものの原型で、伝教大師が各地をめぐり歩いて教えを広められた時のお姿をイメージされたのだそうです。
 「比叡山を仰ぐ形で安置して欲しい」ということでしたが、境内から比叡山が見える場所は限られているので、木々の向こうに比叡山を背負う今の場所に、10数年前にまつらせていただきました。
 求道と仏教を広めるという一念に貫かれているようなお顔立ちです。お越しの時は、ぜひお参りください。


      赤い皐月に緑のもみじ / 日射しにうな垂れる紫陽花      マウスを載せれば写真が変わります
 境内では皐月が花盛りです。皐月の木は多くありませんが、緑の中に赤い花が咲いていると、とても目立ちます。
 紫陽花も、いろいろな種類が咲き始めてきましたが、全体ではまだ1分咲。昨日・今日の暑さに少しバテている紫陽花もあって、そういう姿を見せつけられると、早く雨が降って欲しい気がしてきます。
 先日来の晴天続きで、芽を出した朝顔や挿し芽苗を定植した藤袴、今春植えたうつぎや馬酔木などへの水やりも、ちょっと大変になってきました。うつぎは今が花盛り。小さい木にたくさんの花を付けているので、なおさら水が欠かせません。
 そんな時は、早く梅雨が来て、たっぷり雨が降って欲しいと思うのですから、勝手なものです。
 さぁ、来週は菩提樹の花が楽しみです。ぜひ、お越しください。地味な花ですが、何だか不思議な魅力がありますよ!




     老   鴬   や   泪   た   ま   れ   ば   啼   き   に   け   り          三橋鷹女