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今日は晴れ時々曇りのまずまずのお天気でした。晴れている時の新緑は、申し上げるまでもなく、素晴らしく美しいものです。 その新緑も日一日と色が深まってきました。 この季節初めて境内を訪れた方には、すばらしく鮮やかな緑に違いないでしょうが、毎日、朝な夕なに見ていると、色も風にそよぐ姿も、確実に変わってきているのを実感します。 陽に透かして見るとまだまだフレッシュな緑色ですが、陽を受けている時の色はずいぶん濃くなりました。その色の違いに、春から初夏への移ろいを感じます。
また、カエデの一種「花の木」は、いまたくさんの種を降らしています。1.5ミリほどの翼の付いた大きい種が、プロペラのようにクルクル回りながら落ちてくる様はとても楽しいもので、思わず手を差し出して追いかけたくなります。また、陽の光を受けてキラキラ光りながら飛ぶので、美しくて見とれてしまいます。 季節それぞれに、たくさんの楽しみや発見のある境内です。 青 嵐 一 蝶 飛 ん で 矢 よ り 迅 し 高浜虚子
建物はあまり変わっていませんが、木々の様子はずいぶん違い、もみじの木はほとんどなく、背の高い松の木が林立しています。第2次世界大戦の時の金属供出令で失ってしまった銅製の燈籠などが写っているのも印象的でした。 松の木は、ボクの知っている限りでも、松食い虫の害により、20本ほどは枯れました。今では両手で数えられるほどしかありません。 100年足らずの間に、松林の境内からもみじの名所へと、真如堂は意図せずに大きくシフトしたわけです。 春以来、境内のたくさんの木を切り、剪定しました。木は放っておけばどんどん伸びて景観を変えていきます。自然とはいいながらも、どのような境内を作っていくかという理念が大切だと感じています。
それを見つけた人が、「わぁー、実がなっている!」と、今にも手折りそうな様子。ヒヤヒヤしました。 実ではなく蕾です。菩提樹の花は例年6月10日過ぎに見頃となります。いまから1ヶ月近くかけて、蕾は育っていくのです。 手折るといえば、数年前、河原町丸太町の道路沿いの植え込みにタニウツギの花が咲いているのを見つけ、一枝頂戴して挿し芽をしました。 タニウツギは、真如堂の近くでは、大原へ通じる道端などによく咲いています。何度か挿し芽をしましたが、少し大きくなったと思ったら枯れてしまったりして、縁が薄い花でした。 挿し芽をして少し大きくなった木を池の畔の植えておいたのですが、その木にようやく花が咲きました。まだわずかに5輪ほどですが、大好きなタニウツギが境内で咲いてくれて、うれしい限りです。
自坊の前はずいぶん華やかになりました。 本堂の裏、薬師堂の横ではナンジャモンジャ(ヒトツバタゴ)が満開になっています。 細い花弁が房のようにたくさん付いて雲のようにも見えるナンジャモンジャですが、境内にある木は高いところにしか花がなく、見つけていただくのは難しいかも知れません。 満開を過ぎて、木の下にたくさんの白い花弁が落ち始めましたので、それを目当てに探してみてください。 先日、横にあった杉の木が朽ちてきていたので、伐採しました。結果的に、これで日当たりがずいぶん改善されました。 いま、別の場所ではアメリカヒトツバタゴを育成中で、もう少し大きくなったら、この木の横に植えようと思っています。洋の東西のヒトツバタゴが、数年後には見どころになっているかも知れません。 初夏の境内へ、お待ちしております! 緑 蔭 に 低 唱 「 リ ン デ ン ・ バ ウ ム 」 と 云 ふ 上田五千石 |